社会に出ると否が応でもぶち当たる課題、それが文章の作成です。メール、報告書、説明書類、etc・・・。書かなければならない文章は山積みなのに、筆が思うように進まない。いざ書いてはみたものの、小学生の日記のような稚拙な文章になってしまう、などなど文章作成に関する悩みは尽きません。
自分は理系だから・・・
文才がないしなぁ・・・
本読むの好きじゃないし・・・
と諦めていませんか?あなたが文章を書くのが苦手なのは、決して文才が無いからではありません。単純にあなたが"文章を書くための勉強をしたことがない"というだけのことなんです。
本記事では、文章作成を学ぶ上で絶対に読むべき本を3つご紹介します。思うように文章が書けるようになれば、仕事の能率爆上がりも間違いなし。ぜひ、ポチって勉強してみてください!!
日本人は文章を書くのが苦手!?
一つ、あなたに質問をします。
あなたは、どれだけ"文章を書く勉強"をしたことがありますか?
文章の勉強と聞いてまずイメージするのは、国語の授業でしょう。でも、ここでちょっと冷静に考えてみてください。国語の授業で文章を書く方法って学んだ記憶はありますか?実は日本の教育では、文章を書くための方法はほとんど学ばないんです。
よくある「作者の気持ちを答えなさい」的な問題からもわかる通り、教材を読んで意味や意図を読み解くといったようなインプット主体の教育スタイルなんです。読書感想文や小論文などといったものもチラホラはありますが、これでさえ決められたフォーマットに従ってパズルのように正解と思われる文章をはめ込むだけです。自分の意思で書いた文章とは言い難いです。
つまり、日本の教育の場では、自分の意志や伝えたいことをアウトプットする機会はほとんど与えられていないのです。ですが、社会人になった途端、まるで手のひらを返したかのように、大量の文章のアウトプットを求めらえるようになります。
今まで文章を書いてきた経験が少ないため、急に書けと言われたところで、そう簡単に書けるわけがありません。しかし、皆さんは不思議なことに「文章なんて書けて当然だ」と思い込んでいます。そして、いざ文章を書いてみると、これがなかなか上手く書けない。そこで文章を書くことに対して苦手意識が生まれて、自分は文才がないから、理系だから、などといった諦めの思考になるわけです。
でも、文章を書かなければ仕事が進まないので、何とかして書く。その結果、誰もが我流で文章の書き方を学んでいきます。既に体系化された教材があるにも関わらず・・・。
我流を否定するわけではありませんが、何事も基礎は大切です。体系的に学ぶとは、正しく基礎を学ぶことです。バットの握り方も習わずに、いきなり打席に立つ野球選手はいませんよね。文章の書き方を学ばず社会に出るとは、つまりそういう状態です。
自分は文章が書ける方だと自覚している方も、体系的に学んだことがないのであれば、この機会に自分の文章力を見直してみましょう。もっとの効率の良いバットの持ち方があるかもしれませんよ。ぜひ、下記で紹介する本を読んで勉強してみてください。
前置きが長くなりましたが、文章力のバイブルともいうべきオススメ本3選、紹介していきます!!
オススメ本3選
書く技術・伝える技術
この本を読むことで、読みやすいビジネス文章の法則を徹底的に学ぶことができます。ビジネス文章においてベストなのは「読み手に負担をかけない文章」であることです。例えば、上司が自分のメールを見るとき、一語一句漏らさないように事細かに読み込むわけではありません。パッと見て、何が書いてあるのかを把握しようとします。伝えたいことを書いたのに読み落とされてしまった、伝わらなかった・・・社会人ならそういった経験もあるでしょう。
文章にはちゃんと書いてあるんだし、伝わらなかったのは読み落とした上司の責任だ。
果たして本当にそうでしょうか。情報が伝わらなかったのは上司が悪いのではなく、あなたの文章が悪いのです。漏れなく伝わり、記憶にも残る文章を書くためにはどうすれば良いのか。簡単です、文章を書くための7つの法則に従って書きましょう。
・文章の冒頭に重要な情報をまとめる
・詳細はパラグラフを使って書く
・パラグラフの冒頭に要約文を書く
・文頭にはすでに述べた情報を書く
・並列する情報は、構成と表現をそろえる
・ポイントはひとつに絞る
・無駄なく簡潔に書く
この一つ一つの法則が具体的にどういった意味なのかは、是非この本を読んで学んでください。例題や課題も交えて、実践的に学べるオススメの一冊です。
この本はとにかく体系的なのが良いですね。徹底的に体系的、そして論理的です。まさに理系向けの文章の教科書と言ってよいでしょう。もう、この本にはわかりやすい文章を書くための"答え"が書いてあります。我々は、この本に書いてある"答え"の意味をしっかり理解して実践するだけでよいんです。工夫やアレンジは不要、基本を守ってとにかく愚直に実践あるのみです。
20歳の自分に受けさせたい文章講義
文章を書くって一体何なんでしょうか。誰もが文章なんて簡単に書けると思いながら、躓いてしまう。自分の伝えたいことが表現できない。こんな経験はよくあると思います。多くの人が、話せるのに書けないという悩みを持っています。それは、なぜでしょうか。
それは、話すことと書くことは全く別の行為
だからです。それを混同して、話すように書けば良い文章が書けると勘違いしている人が多いのです。この本の中では"文章を書くことは翻訳である"と語られています。どうやったら自分の伝えたいことを文章に翻訳できるのか。読み手を意識するとはどういうことか。そのための具体的な手法や心構え、また文章を書くことの大切さを学ぶことができます。
前項で紹介した「書く技術・伝える技術」がビジネス文章をテーマにした本だったのに対し、20歳の自分に受けさせたい文章講義は文章表現そのものをテーマにした本です。
自分発信の文章、自分を表現するための文章、共感してもらうための文章、人を惹きつけるための文章など、ビジネス文章よりもう少し裾野を広げた形で文章について学ぶことができます。無味乾燥なビジネス文書から一歩抜け出して、人の心を動かす文章を書きたい人には特におすすめです。ブロガーなどにもオススメできる一冊です。
この本のタイトルの通り、私も読んだ後「もっと若いうちに読んでおけばよかった」と思いましたね。ですが、逆に「今読めてよかったな」とも思いました。何歳だって遅すぎるなんてことはない、是非読んでみてください!!
なんでも図解
まず最初に言いたいのは、この本は、文章の本ではなく図解の本です。
題名にもある通り、絵心が無くてもありとあらゆるものを図解で説明するスキルを身に着けることができる素晴らしい本です。ビジネスの世界では、文章で説明するだけでなく図を使って説明できた方が、圧倒的に効率が良いしわかりやすいです。しかし、実際の会議などでは丁寧な絵を描いている時間もないし、パッと図にまとめるのも難しい。でもそれも練習次第で誰にでもできるようになります。この本に書かれたステップに従って課題をこなすことで、誰でも図解力を高めることができます。
文章力をテーマにした記事で、この本を紹介する理由は、この図解力こそ文章を書くために必要な力だからです。我々は普段、頭の中で色々なことを考えていますが、言葉だけを使って考えているわけではありませんよね。フワッとしたイメージだったり、色だったり、風景だったり、図だったり・・・色々なものを頭に思い浮かべながら、思考しているわけです。
頭の中にあるフワッとしたモノを文章としてアウトプットするためには、アウトプットの前に必ず頭の中で情報を整理する必要があります。文章が書けない人の多くは、頭の中にあるフワッとしたモノをいきなり文章で書き出そうとしてしまいます。なので支離滅裂になったり、自分が伝えたい表現にできません。
頭の中を素早く正確に整理するにはどうすれば良いか、それは"図解力"を高めることです。図解力が高まると、伝えたい情報や自分の考えを整理して、どういう風にアウトプットすればよいかというイメージを瞬時に作り出す力が身に付きます。これが図解のみならず、文章のアウトプットにも大いに役立つわけです。
百聞は一見にしかず、百見は一考にしかず、百考は一行にしかず・・・です。とにかく、この"なんでも図解"の課題をこなしてみてください。もう私がいくら説明したところで、じれったいだけ、とにかくやってほしい!!すごい効果あるから!!
私が読んで実践してきたビジネス書の中で、最も即効性のある本でした。ITエンジニア本大賞2021、ビジネス書部門で1位にもなっている素晴らしい本です。
まとめ
本記事の復習をしましょう。
・日本人は文章を書く勉強をほとんどしない。
・ほとんどの社会人は我流で文章を書いているので、一度体系的に学ぶべき
・オススメ本その1 書く技術・伝える技術
・オススメ本その2 20歳の自分に受けさせたい文章講義
・オススメ本その3 なんでも図解
紹介した本を全て読んだとしても、それだけで文章が書けるようになるかというと、そういう訳ではありません。何事にも実践は必要です。結局は、とにかく書くしかないのです。
文章力はどんな仕事でも生かせる社会人の必修スキルです。我流の人が多い中で、しっかりと文章の書き方を学んでおけば、それだけで頭一つ抜きんでることができるでしょう。近年では、インターネットの普及により、個人が文章をアウトプットする機会も増えてきました。文章力は、社会生活のみならず、プライベートやあなた自身を表現する場でも大いに役に立つ一生モノのスキルになるはずです。
日記でも良いので、とにかく定期的に文章を書く習慣を持つとよいでしょう。おススメはブログやNOTEなどでの情報発信です。コラムでもポエムでもなんでも良いと思いますが、とにかく人の目に触れるところで文章を書くのが良いでしょう。人の目を意識することによって、自分の文章を客観的に見直す機会を作れますからね。是非、チャレンジしてみてください!!