機械設計の仕事が”ツラい”と感じるあなたへ

機械設計

私が機械設計の仕事を10年続けてきて思うことがあります。それは、機械設計の仕事はとにかく大変だということです。そうは言っても、他の仕事をしたことがないので比較はできないのですが、それにしても常に息つく暇がないほどに忙しい仕事です。やらなければならないことは山積み、突発的な問題も起こるし、現場からも厳しく詰められる。正直な話、10年間働いてきた今でさえ忙しさに慣れることはありません。

機械設計という仕事の特有の”ツラさ

これは、機械設計を経験した人でなければ理解することは難しいでしょう。本記事では、私が実践してきたツラさを乗り越えるための思考法や具体的な対策について紹介していきます。あくまでの私なりの方法ではありますが、現役機械設計者の方はぜひ参考にしてみてください。

ちなみに、本記事で紹介するのは機械設計ってツラいなーと感じている方への対策です。もうヤバいという方はすぐに休んでくださいね。では、早速いきましょう。

なぜ機械設計はツラいのか?

機械設計はツラいという話を冒頭でもしましたが、一体何がそんなにツラいのかを少し深堀りして考えてみたいと思います。多忙であるということは、機械設計のツラさの一片ではありますが、本質ではないと思っています。

今勤めている会社の恩師が定年退職するとき、こんな言葉を言っていました。

機械設計とは”未知”との闘いです。正解もなければ、絶対もありえません。設計者である限り、常に未知の不安と向き合い続けなければなりません。そして企業である限り、時間やコストの厳しい制約などのプレッシャーもあります。辛い仕事ではありますが、生みの苦しみがある分、何物にも変えられない生みの喜びもあります。それを糧として、良い機械を作っていってください。君たちの今後の活躍に期待しています。

覚書ではありますが、人生のすべてを機械設計に捧げてきた方の言葉です。真に迫ったものがありますよね。聞いたのは7年前くらいのことなのですが、いまだにはっきりと覚えています。この言葉の中にもあるように機械設計は未知との闘いであり、機械設計のツラさはこの言葉に集約されています。


納期通りに仕事は終わるだろうか
問題解決の糸口はつかめるだろうか
図面に間違いはないだろうか
組立は問題なくできるだろうか
仕様通りの性能がでるだろうか
客先で不具合が起きないだろうか



書きだしたらキリがありませんが、未知である故に、設計者は常に不安を抱えています。言い換えれば、機械設計は不安との闘いでもあるわけです。

んな、わからないことは気にしたってしょうがない

とあっけらかんと割り切れれば良いですが、そう簡単にはいきません。自分にそう言い聞かせても、その場しのぎにしかなりません。心のどこかには気がかりが残るし、ふとした瞬間にまた不安が襲ってきます。

機械設計は繊細な仕事なので、細かいことに気が付いて気遣える人が向いています。しかし、そういう人ほど、細かいことに気がついてしまうので感じる不安も人一倍大きいものです。設計の素質がある人ほど、設計者としての苦しみが増す傾向にあります。それでも良い機械を作ろうと一生懸命頑張った結果、心を病んでしまった人も多く見てきました。

機械設計が”未知”との闘いである以上、不安が消えることがありません。よって、設計者を続ける上では如何にして不安と向き合うかが最も重要です。不安はあって当然のものであり、どのように受け入れるかがポイントなのです。

かくいう私も、常々不安は感じています。それは自分の設計に対してであったり、自分の仕事そのものについてであったり様々です。入社4年目の頃、仕事のプレッシャーでトイレで吐いたこともありましたし、ストレス性の耳鳴りや軽度の難聴に悩まされることもありました。それでも負けてたまるかと、歯を食いしばって試行錯誤してきました。

その試行錯誤の中で効果があった不安との向き合う方法を紹介していきます。すべてやる必要はありませんが、是非どれか一つだけでも良いので試していただきたいです。ただし、冒頭でも言いましたが、ヤバいと思ったら休むのが一番です。私は、ちょっとでもヤバいと思ったら“秒“で休むようにしています。この記事はあくまでも、“精神的にまだ余裕がある人向け”です。

機械設計の仕事が続けられないほど精神的にツラいという方は、この記事がとても参考になるので是非読んでみてください。

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機械設計の仕事がつらいけど、会社を辞めることできない人いませんか? 今でも現役の機械設計者としている私も一時期仕事がつら

機械設計の不安と向き合う方法

メモ書きをする

不安を減らそう!!

そもそも不安とは何かというと、原因のわからない恐怖だと言われています。なんだか不安という感情は当たり前であって、原因がハッキリとわかっていたらそれは不安ではなく”恐怖”という感情になります。

例えば、明日の会議が上手くいくかどうか・・というのは不安ですが、明日の会議は絶対に失敗して確実に怒られるということが分かっていた場合、それは不安ではなく”怒られることへの恐怖”に変わります。わからないから、不安なんです。

つまり、人間はわからないものをすべて不安に感じてしまうんです。そうすると、不思議なことに実際に抱えてる問題以上の不安を感じることになります。本当はそんなに不安を感じなくても良いのに、自分で勝手に不安を量産しているんです。不安が不安を呼び、無限に増殖していきます。

そこで必要になるのは不安の棚卸しです。自分が何に不安を感じているのかをハッキリさせるだけで、そもそも不安を感じるほどのものでないことを自覚できます。結果、不安の量産を止めたり、減らすことができるわけです。

不安の棚卸しのためにオススメな具体的な手法は”メモ書き”です。やりかたは至ってシンプルで、白紙のA4用紙1枚に頭に浮かんだことを1分ひたすら書き綴る、それを10回繰り返すというものです。所要時間は10分ですが、これはかなり効果があります。頭の中がスッキリしますし、自分がいま何を考えているのかを客観的に見ることができます。メモ書きの具体的なやり方に関しては、下記の本を読んで学ぶと良いでしょう。一生モノのスキルになるはずです。

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瞑想をする

不安を受け入れよう!!

不安を減らすことはできても、ゼロにすることはできません。不安は持っていて当たり前なんです、大切なのはそれを受け入れることです。不安を受け入れるためにオススメなのは瞑想です。マインドフルネスとも言います。最近では、Googleが社員研修で取り入れたことでも話題になっていますね。

瞑想の良いところは、自分の思考を俯瞰できるようになることです。少し話をそれますが、今この文章を読んで内容を理解しようとしているのは「あなた」でしょうか?実は違います、この文章を読んでいるのはあなたの思考(マインド)です。あなたの思考がこの文章を読んで、あなたに意味を伝えています。「思考=あなた」ではないのです。このように、自分の思考と自分自身を切り離して考えることで、様々な不安や感情を客観視することができます。

そうすると不安を感じても、「あっ今、自分の思考が不安を感じたな、どれどれ」というように一歩引いた立場から自分を見ることができて、不安に対する感情をコントロールすることができます。

多くの人は、不安を見つけると無条件にネガティブな反応を起こします。それは思考によって無意識に行われているのです。瞑想によって、思考と自分自身を分離することで、不安をどう受け取るかを自分で選ぶことができるようになります。こうなればほぼ無敵です。是非、チャンレジしてみてください。

瞑想に関する情報はネット上にも多く転がっているので、調べてチャレンジしてもよいでしょう。しっかりやりたいという方は下記の本がオススメなので是非読んでみてください。スピリチュアルな話ではなく、科学的な視点から瞑想の原理を学ぶことができます。

仲間を見つける

不安を共有しよう!!

同じような不安を抱えている設計者仲間を見つける事で、みんな同じ悩みを抱えている、自分だけじゃないんだと思う事ができます。すると、自分だけが大変なわけでもなければ、自分の不安はそんなに大したものじゃないという感覚を持つ事ができて、気持ちが楽になり前向きになれます。

今では、ネットを使って同じ悩みを持つ設計者と簡単に繋がりを持つ事ができます。私もTwitterやブログを通して、多くの設計者と知り合い、非常に良い影響を受けることができています。あなたも仲間を見つけて、積極的に交流してみましょう。FacebookやTwitterなどSNSを上手く活用すると良いでしょう。技術的な情報収集も兼ねたいならLinkedInがオススメです。

具体的にどうしてよいかわからない人は、とりあえずTwitterを始めてみましょう。”機械設計”というワードで検索すれば色々な人が出てきますので、気になる人を片っ端からフォローしてみましょう。その際は、是非私もフォローしてくださいね!!

注意事項としては、愚痴、文句、悪口など過剰にネガティブな発信ばかりしているアカウントには極力近づかない方が良いでしょう。ネガティブな影響を受けてしまいますよ。

勉強する

不安を力に変えよう!!

仕事で不安があるならば、とにかく勉強して知識や実力をつけるのが一番です。自分に自信を持てるようになれば、不安はどんどん減っていくでしょう。不安を勉強のモチベーションに変換できれば、最強です。

「休みの日まで、仕事のことに時間を使いたくないよー」って人は、残念ながら機械設計者には向いていないかもしれません。技術の世界は日進月歩であり、仕事以外でも常に機械の情報にアンテナを張っておかなければ良い設計はできません。学習の習慣を付けましょう。続けていれば、いつのまにか“1日に1つ以上、新しい技術の知識を身につけないと気が済まない体になっているはずです。知り合いの設計者でも、学習の習慣を持っている人はかなり多いですね。

もちろん、仕事自体が一番の学びの場なのですが、実際問題、仕事をこなしているだけだと、ある程度のところで停滞感を感じることがあります。俺は本当に設計者として成長しているのか?ただ、与えられた仕事をこなしているだけで、実力はついてないんじゃないか?そういった停滞感や焦燥感は、違う種類の不安に繋がります。

設計者としての成長を意識して、具体的な行動を起こしましょう。設計の参考書は星の数ほどあるので、好みのものを選んで読んでみるもよし、自分が疎い分野の勉強もするもよし。とにかく、何か勉強しましょう。何を読んでいいかわからないという方は下記の記事を参考にしてください。

本当に作りたいものを作る

根本を見つめ直そう!!

機械設計職に限ったことではないですが、自分の仕事自体、もしくは自分の現状になんとなく不安を感じている人も多いとおもいます。特に機械設計を仕事をする人は、ものづくりや機械が好きという方がほとんどです。そういう意味では、機械設計は好きなことを仕事にできている人が多い職種だと思います。しかし、仕事に熱心にのめり込むうちに、だんだんと“自分のものづくり“を忘れてしまいます。凄いものを作るんだという情熱を持って入った会社だったのに、忙しさに揉まれるうちにただ与えられた仕事をこなすだけで精一杯になってしまうんです。

なんだろう、何か違うんだよな。

そういう漠然とした不安の原因は、自分が本当に作りたいものを作れていないからかもしれません。会社の仕事というのは、誤解を恐れずいうなら“お手伝い“にすぎません。あなた自身の創造ではないのです。

だからこそ、不安を感じるときは自分の創造を大切にしてほしいです。自分発信のものづくり。そのための時間を必ず作ってほしいです。別に実態があるモノでなくても構いません、自分の時間を使って何かを生み出してみてください。消費するのではなく、創造するんです。自分がしたい設計とは何か、それを突き詰めて考えてみてください。

具体的に何をすれば良いんだろう?

と悩む方は、この本を読んで、書いてある通りに行動してみるとよいでしょう。この本は自分の創造を取り戻すための方法が書かれている言わずと知れた名書です。内容はかなり実践的で、この本に書かれた課題をしっかりとこなしていけば、自分のやりたかったことを思い出すことができます。少しスピリチュアルな部分の話がでてくるのが難点ですが、私はこの本の内容にすごく救われました。オススメの一冊です。

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まとめ

本記事の内容を復習しましょう。

・機械設計とは、未知との闘いである。
・機械設計の辛さとは、未知ゆえの不安。
・メモ書き  → 不安が減る
・瞑想    → 不安を受け入れる
・仲間を作る → 不安を共有する
・勉強する  → 不安を力に変える
・自分のものづくりをする → 根本を見つめ直す


機械設計者になるのに、資格は必要ありません。名乗れば、誰でもその日から設計者です。しかし、設計者であり続けるのは難しいのです。楽な仕事なんてないというのは重々承知の上で、誤解を恐れずに言わせてもらえば機械設計は大変な仕事です。体を壊したり、精神を病んだりしてしまう人が多いのも事実として受け止めなければならないでしょう。

ですが、 その大変さを補って余りあるほどの、ものづくりの喜びがあります。設計した機械が完成したとき、その機械が人の役に立ったとき、その時の喜びは計り知れません。だから我々は頑張れるんです。私は機械設計は世界を支える職業だと自負してしています。

この記事自体、私なりの仲間を作る(不安を共有する)という不安対策の一つでもあります。ここに書いたものは、実際に私が苦しめられた不安であり、それを乗り越えた時のノウハウです。この記事で、悩める機械設計者の不安を少しでも和らげることができれば嬉しいです。

機械設計のツラさに関しては、様々な技術ブロガーさんの記事でも紹介されています。是非、合わせて読んでみてください。

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日々感じている機械設計の仕事で辛いと思えることをズラズラ書き綴ってみたいと思いますので、機械設計は辛いって聞くけど、実際どうなの?と気になる方、機械設計をしていて、他はどんな辛い事を経験しているのか興味半分に確認したい方、機械設計が辛すぎてどうしようもない方は是非読んでみてください。
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