コラム

技術者が“ブログ“を始めるべき理由

「ブログはオワコンだ!!」

などと言われて久しいですが、それでもしつこく残り続けているのがブログというカテゴリーです。「本当にブログはオワコンなのか?」と問われたら、私は力強くNoと答えるでしょう。

本記事では、”技術ブログ”というニッチな分野にフォーカスして、技術者がブログを始めるべき理由を解説していきます。私も本ブログ"しぶちょー技術研究所"を運営して2年が経とうとしていますが、ブログ運営から得たものは数え切れません。

結論から言えば、ブログを書かない理由がない!!

コレに尽きます。色々考えたんですが、結局この結論にたどり着くんですよね。私の経験を元にざっくばらんにブログに魅力を語り尽くします。ブログなんて興味ない、という人は見なくて結構。

ブログってちょっと気になるんだけど・・・どうしようかな、と迷っているあなたのための記事ですよ。そんなあなたの背中を全力で押して参ります。肩肘張らずに気軽に読んでいただければ幸いです。

技術ブログとは何か?

少し回りくどいんですが、まずはブログとは何かを見ていきましょう。ブログという言葉は、ウェブログ(weblog)を略した造語で、Web上で日々更新される日記的なWebサイトの総称です。その日記的なコンテンツの種類によってブログの種類は分類されます。

ブログを種類別にざっくり分けると雑記ブログ専門ブログの2つになります。雑記ブログはまさに日記ですね。俳優とかアイドルが日常の出来事を書き綴るアレです。一方で専門ブログとは、特定の分野に特化したブログです。料理ブログ、筋トレブログ、美容ブログ、ガジェットブログ・・・、といった具合に特定の分野に絞った情報発信されています。本記事のテーマである技術ブログも、そんな専門ブログの種類の一つです。

技術ブログは、多々ある専門ブログの中でも超絶ニッチな存在です。その道の技術者が、専門の技術知識を紹介したり、解説したりする記事を書いています。本ブログでも例に漏れず、私の専門分野である機械設計の経験や知識を用いて、技術を説明する記事を多く書いています。

技術ブログを始めるキッカケは人それぞれですが

・自分の知識の棚卸がしたい
・勉強し直すキッカケが欲しい
・本業で得た専門知識を使って副収入を得たい

と大方その辺りが多いでしょう。

もしあなたが「ブログに興味はあるけど、なかなか一歩踏み出せない」というのなら、迷っている時間が損失だと考えるべきです。その時間でさっさと記事を書いてください。なぜならブログは、「百利あって一害なし」だからです。とにかくメリットしかないので、早く始めた分だけ、早く恩恵を早く受けることができるのです。

では、ブログを始めることによる具体的なメリットがどれだけあるのか私の体験も踏まえて説明してきます。

技術ブログを始めるべき理由

私が実際に技術ブログを始めたから感じた具体的なメリットは5つです。

アウトプットにより技術への理解が深まる

自分の知識を文字で書き起こすことにより、技術への理解が深まります。これは実際に書いてみれば痛いほどわかりますが、社会人になってから身に付けた知識は体系的に学べていないことがほとんどです。これは日本企業の教育がほぼOJT(On The Job Training)だからです。実際に業務でよく使うことから順に物事を学んでいくので、自分が思っている以上に知識にムラがあります。実はあなたの技術の知識は虫食い状態なんですよ。

自分の持っている知識をブログで棚卸することで足りない部分が見えてきます。例えるなら、脳みそを割って中身を見ていく感じですね。そして足りないものを自覚して、そこを埋めていくわけです。技術者としてレベルアップしたいなら、この作業が死ぬほど大切です。だって、技術を理解していないのに技術者を語ることはできませんよね。更にはブログを書いていくうちにアウトプットするために、新しい技術を勉強することにもなるので最高の学習ループを生み出すことができます。知識の習得はアウトプットしてなんぼです。そのアウトプットの場として、技術ブログは最高に適しているわけです。

思考力が劇的に高まる

ブログを書き始めると、文章を書く機会が爆発的に増えます。普段の生活で数千文字の文章を書くシチュエーションなんて、なかなかありませんよね。("仕事のメールで数千文字書くぞ"って人がいたら、それはテロなのでやめましょう。)

長い文章を書くためには、表現力や語彙も重要ですが何より論理的思考が重要になります。分かりやすく読みやすい文章を追求していくと、文そのものより構成が大切だということに気が付きます。この構成を考えることこそ、論理的思考のトレーニングになるのです。我々は普段、物事を「言語」で考えていますので、文を上手く扱えるようになる=思考力が高まることの繋がります。少し抽象的な話になりましたが、具体的に感じた効果としては、人との議論がスムーズに行えるようになりました。自分の意見を相手に理解しやすいように伝えることができますし、話の中から問題の本質を掴むのが上手くなったのは間違いありません。端的に言えば、頭が良くなるわけです。

まあ、ただ文章を書きまくれば良いわけではなく、何度も推敲したり、文章の書き方を勉強したりすることで身につくものだとは思いますが。とにかく、ブログを始めれば、そうせざるを得ない環境に身を置くことが可能なわけです。結果、頭が良くなるのです!

下記の記事で「文章力を高めるためのオススメ書籍」を紹介しています。合わせてご一読ください。

肩書が増える

技術ブログを始めると、なんと・・・

技術ブロガーという肩書きを手に入れることができます。

は?何言ってんだこいつ。という気持ちを抑えて、まあ聞いてくださいよ。大切なのは、あなたの肩書が増えるということです。例えば、ブログを始めた技術者の鈴木さんが居たならば、彼は「〇〇株式会社 機械設計部 鈴木さん 兼 技術ブロガー」となるわけです。人材が流動的な昨今、会社の所属以外の肩書を持つことの大切さを決して舐めてはいけません。ブログ経由で仕事を貰ったり、転職が決まったりなんて話はザラにあります。私も実際に昨年、転職活動をした際はブログ経由でも何件もお話をいただきました。

会社以外の場所で、自分の肩書を育てることができるのが技術ブログの良さです。しかもブログ自体が”名刺”としての機能も果たします。Web上のどこからでも閲覧可能なオープンな名刺です。SNSが広く普及した現在では、個人の発信力に注目している企業も多く、ブロガーも注目されています。「ブログの評価=あなたの評価」として、育成ゲームのごとく自分を育てていくことができます。

もちろん、そこまで深く考えずに、趣味で気軽にブログ運営すれば良いと思いますよ。ただ、ブログはそういうポテンシャルを秘めている分野だということを理解しておくと尚よいでしょう。

他分野の技術者との交流が広がる

技術者同士の交流の場って案外少ないものです。特に製造業は縦割りがハッキリした閉鎖的な文化がまだまだ根強く残っているのが現状です。同業種でも交流は少ないのに、他業種の技術者との交流などほぼ皆無です。

しかーし、技術ブログを運営することで、他のブロガー(他の技術者)との交流の機会を持つことができます。私の個人的な見解ですが、技術ブログを運営している方の大体は前向きで真面目で変態です。そりゃそうでしょう、遊びもせず、わざわざプライベートの時間や寝る時間を削ってまで、技術の勉強してブログ記事を執筆しているわけですから。変態以外の何物でもありませんよね。

そして、そういう人達って総じて刺激的で面白いんですよ。皆が皆、自分なりのVISIONを持って活動しているので、実際に話したりすると技術のみならず良い人生の勉強になります。外部からの刺激は、凝り固まって自分の価値観を打ち砕く良いきっかけとなるはずです。

これだけ利点があってリスクがない

ブログの何よりの素晴らしいところはこれだけ利点がありながらも、ほぼリスクが無いところです。そんな上手い話本当にあるのか?騙されていないか?と思うでしょう。上手い話には裏があるなんて言いますが、ブログだけは例外です。特に拘らなければ無料で始められますし、サーバー借りたとしても年間に1万円程度の出費です。

メカトロザウルス

頑張って記事を書き続けたけど、あまり人に見てもらえなかった・・・

となっても、書いたこと自体で勉強になっているので損をしていません。その経験がある時点で、プラスです。まずやってみて、合わなければ辞めればいいだけです。負けがないんですよ、始めたら勝ちなんです。ただし、当然ゼロリスクではありません。Web上で公開されている限り、何らかの形で炎上してしまうリスクはありますし、匿名で運営しているなら身バレするリスクもあります。現に私は色々あって、ブログが会社にバレているので、社内では実質身バレしてます。上司も同僚もブログを知ってますが、応援してくれていますので結果オーライです。もし身バレの経緯が気になったら、下記の記事をご覧ください。

まあ、私のケースは極めてレアであり、基本的には始めたもの勝ちだと言えるでしょう。

本音で語る技術ブログのあれこれ

メカトロザウルス

いやいや、そんな良いことばっかり言って・・
なんか隠してるんじゃないの?


と疑い深いあなたのために、私がブログを始めてみてイメージと違ったことをまとめてみました。

お金稼げるんでしょ?

技術ブログではそう簡単にはお金を稼げません。まあ、ブログに限らず簡単にお金を稼ぐなんてできませんが・・・厳密に言えば、技術ブログだけではお金を稼げないと言った方がいいですね。

まずブログのマネタイズの方法として王道なのは、アフェリエイトです。何かをブログで紹介して、それが売れたり契約されたりすれば、ブログ主にお金が入るというものです。技術ブログの最大の問題は、このアフェリエイトで売るものがほぼない、ということです。定番商品で言えば、教科書や技術本の紹介などがありますが、技術本なんてそんなにたくさん売れるもんじゃないですからね。転職系サービスの紹介も定番ですが、これもなかなか難しいと聞いています。Googleアドセンスなどの設置型広告も然り、PVが増えれば比例して収入も増えますが、需要がニッチなだけに他分野のブログと比較して費用対効果は悪いです。

ただし、ブロガーとしての肩書を使って、他のビジネスチャンスにつなげるいうことはいくらでも可能です。ニッチなことを逆手に取ってその技術分野の企業との広告契約を結ぶなど、営業の仕方次第ではいくらでもチャンスを広げることはできます。

技術ブログのマネタイズに関しては、色々な技術ブロガーの方が創意工夫を重ね、取り組んでいます。まさに発展途上と言って良いでしょう。マネタイズこそ技術ブログ分野の最大の課題です。稼げる技術ブロガーこそ、技術ブログ界のニューノーマルになると思っています。

文字書くだけだし、楽勝でしょ?

ブログの運営には気合と根気が必要です。やればわかりますが楽ではありません。ブログを運営する上で最も難しいのは、モチベーションを保つことだと思います。思ったような結果が出ず、すぐ辞めてしまう人がほとんどです。一生懸命書いたのに、誰も見てくれない・・・となれば、気持ちが続かないのも良くわかります。

本音をぶっちゃけると、3年間ブログ記事を書き続けてきた今でさえ、ブログ記事を書き始めるまでは面倒です。仕事から帰ってきて、子供の面倒をみて、掃除と部屋の片づけ。あー風呂入って寝たいなーと思いつつ、とりあえず障りでもよいからブログ書かなきゃ・・・と、自分を奮い立たせて椅子に座り、YOUTUBEの誘惑を振り切り執筆を開始するわけです。移動時間、仕事の休み時間にちょっとずつ書いて、何とか記事を完成。投稿が終われば、また次の投稿に向けて執筆のためのネタ探し、情報収集と勉強、執筆・・・この無限ループです。

よく「ブログは不労所得」という話がでますが、過去記事だって定期的なメンテが必要ですし、不労などとは程遠いです。むしろ労無所得です。金銭面だけをモチベーションにして技術ブログを始めると、瞬殺されます。

それでも、「面白かったです」、とか「勉強になりました」という声をいただけるので、モチベーションを保ちながら、2年続けてこれたわけです。いつも本ブログを読んでいただいている皆様には感謝しかありません。本当にありがとうございます。

このように、続けるにはとにかく誰かに読んでもらうことが何よりも大切です。そのための有効なのはSNSです。特にオススメはX(旧Twitter)です。私はブログがメインなのかX(旧Twitter)がメインなのかわからないほど、X(旧Twitter)にも力を入れています。ちなみに下記が本ブログの2月のPV数の推移です。見てください、電子ノイズさながらのこの5月のインパルスを。これこそX(旧Twitter)です。

●バズったポスト

●ブログのPV数

そもそもの下地の弱さは一旦見なかったことにしても、これほどSNSは有効なのです。ここまで極端でなくても、SNSを活用すれば早い段階で人に見てもらうことができます。初期の頃はSNSでモチベーションを繋ぎながら、ブログを運用していくと良いでしょう。X(旧Twitter)のコツについては、過去の記事で解説していますので是非ご一読ください。

ライバルなんて大して居ないでしょ?

いくら技術ブログ界隈がニッチとは言っても、強大なライバルはたくさんいます。最も強力なのが、企業です。大手企業は、自社のホームページのドメイン直下でオウンドメディアと呼ばれる技術ブログっぽいものを運営しています。Google検索での検索順位争いでは、このオウンドメディアが圧倒的な強さを持っています。

技術ブロガーとしては、真っ向勝負をするか、企業が手をつけていないような切り口のテーマで攻めるかしかありません。(まあ、技術ブロガーにはウェブライターとしてオウンドメディアの記事を代筆してお金を貰うとしての仕事もありますので、持ちつ持たれつなんですけどね)

機械設計系の技術ブログで王道の切り口で、圧倒的な強さを持っているのはリヴィさんが運営する”ものづくりのススメ”ですね。ブログPV数も公開されていましたが、凄まじい数字ですよ。数字が大きすぎて、最初は年間PV数だと勘違いしました。よく見たら月間PVでした。メラゾーマだと思ったらメラだった感じです。

技術ブログ界隈は「すげえ奴らがいっぱい居て、おらわくわくすっぞ!」状態です。ただ、みんなそれぞれ、得意分野がばらけているので、ドンピシャ競合同士ってブログはなかなかなけのも特徴です。

このように楽ではないけど、メリットがいっぱい。それが技術ブログなのです。
なんだかやりたくなってきたんじゃないですか?

まとめ

本記事の内容を復習しましょう。

・技術ブログを書くと、技術への理解が深まる
・シンプルに頭が良くなる
・技術ブロガーという肩書きが手に入る
・同じ志を持つ仲間にも出会える
・デメリットがほぼない
・つまり、技術ブログをやらない理由はない


色々と書きすぎて長くなってしまいましたが、私が言いたいのは「迷っているならやれ!」ということです。本記事では色々とブロガー側のメリットを書き綴りましたが、ブログの本質は

"人のための情報発信"

です。そして、ブログの評価は、”どのくらい人の役に立ったのか”で決まります。読んでくれる人のことを考えて、考えて、考え抜いて、記事を書く。この作業の愚直な繰り返しが、自分を成長させてくれて、そして人生を豊かにしてくれます。それはブログでも仕事でも、日常生活でも変わらないのかもしれませんね。

自分だけしか知らない技術・・・なんてものはきっとないでしょう。でもあなたの経験してきたことは、あなたしか知りません。その経験や培ってきた考え方は、自分にとっては当たり前でも、誰かにとってはとても新鮮で人生を変えるような情報になるかもしれません。あなたの中にあるソレを、人の役に立ててみませんか?ブログはそんな他社貢献を実現するための最高のツールだと確信しています!!

この記事によって、世の中に技術ブロガーが一人でも増えることを願っています。

ブログを書く前に読んだ方が良いオススメの本は下記です。私は最近読んだのですが、基礎的な内容ではありつつも、色々と考え直すきっかけになる良い本でした。是非チェックしてみてくださいね。

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