あなたはどうしてる?技術者の情報収集

業界研究

技術の世界は日進月歩です、日々新しい技術や製品が生まれています。現在ではインターネットが広く普及し、さまざまな方法で最新の情報を得ることができます。逆に言えば、情報を得るための方法が多過ぎて“どうやって必要な情報を集めていいのか正直よくわからない”ですよね。そして、情報の取捨選択も難しくなっています。私が好きな歌の歌詞を借りるなら

 

Information 秒速で伝わる時代 でもchoiceの仕方がわからない・・・

 

ということです。新しい技術や業界に対して日々アンテナを張り巡らしておくことは、もはや技術者の“嗜み“とも言えます。本記事では、技術者達の情報収集の方法についてまとめてみました。自分用のメモ書きとして残す意味もありますので、是非とも皆さんにも活用していただければ幸いです。

情報って何なの?

今週の私の呟きです。

 

これも一種の情報収集ですね。私もTwitterを有効活用して、役に立つ情報を発信したり、欲しい情報を集めたりしています。情報収集について考える前に、まず情報とは何かを考えてみましょう。言葉の定義はこうです。

 

情報とは・・・文字や数字などの記号やシンボルの媒体によって伝達され、受け手に状況に対する知識や適切な判断を生じさせるもの。

 

めちゃくちゃ堅苦しい!!実は、情報という言葉自体は非常に広い意味を持つ言葉で、一言で言い表すのは困難です。本記事でいう情報とは、“物事の内容を人に伝えるもの“と定義しておきます。

 

我々は何気なく生きていても様々な情報と触れ合うわけですが、収集前に情報の種類について知っておきましょう。情報には大きく分けて3つあります。それは一次情報、二次情報、三次情報です。

 

 

一次情報

オリジナルの情報です。本人が体験から得た情報、本人が行った調査結果・実験結果などから得たデータや考察などがそれに当たります。百聞は一見にしかずの“一見“のことですね。

 

二次情報

第三者を通して得られる情報です。論文、本、雑誌、新聞、インターネットなどで得られる情報は全て二次情報となります。

 

三次情報

情報源のわからない情報です。言い方を変えれば噂話ですね。

 

一次、二次、三次・・と情報の価値は落ちていきます。最も価値の高いのは一次情報ですね。ただし、一次情報を得るには、実体験が必要なため時間やコストが多く掛かります。よって日々忙しさに追われる技術者達の情報収集においては、いかに質の良い二次情報を手に入れることができるかが大きなポイントになってきます。

 

では、情報の区分けを頭の片隅に置きつつ、技術者の情報収集について見ていきましょう!

学会誌

学会誌とは、学会などが発行する研究論文が掲載された創刊物のことです。最新の研究成果がいち早く入手可能です。値段が高かったり、年間購読しかできなかったり・・・学会により様々です。そのため、普通の本に比べれば、入手難易度は少し高めです。書店でも売ってないですしね。展示会などのイベントでも販売されていたりします。

 

論文なので、内容の理解には時間が掛かりますし、事前知識も必要です。自分の専門分野から外れている内容も多いため、個人での購読は相当好きでない限りはあまりオススメできません。私は会社に置いてある学会誌をたまにチラッとみる程度で、これは面白そうだと思った内容があれば読み込んでみるといった具合ですね。

 

日本機械学会誌

日本機械学会誌 | 日本機械学会誌

 

精密工学会誌

精密工学会誌 | 公益社団法人 精密工学会
精密工学会誌のご紹介です.定期購読のお申込みもこちらから.

 

学会誌ではありませんが、論文検索なら下記のサイトが便利ですね。

J-STAGE トップ
総合学術電子ジャーナルサイト「J-STAGE」-国内で発行された学術論文全文を読むことのできる、日本最大級の総合電子ジャーナルプラットフォームです。

雑誌

雑誌は最も身近で入手性が良い情報源ですね。ものづくりに関する雑誌は非常に多くの種類が出ているため、興味のある分野のものを絞って読むと効果的です。機械設計者にとって代表的な雑誌を簡単に紹介します。

 

日経ものづくり

機械の研究 | 株式会社 養賢堂
本誌「機械の研究」は、1949年(昭和24年)、それまでの機械工学の概念を脱却して、工学・工業の一環としての機械工学に関する新しい研究と技術の進歩を提供する事をその主眼に創刊した月刊誌です。工学全般・工業に関連した研究分野において、最新かつ重要な学理および興味深い研究成果を平易に解説しています。

定番中の定番ですかね。

 

機械設計

機械設計 | 本・雑誌 日刊工業新聞
空気圧機器・システムは、自動車や半導体、食品などの工場において、組立てや搬送などの自動化装置に数多く使われているのは周知のとおりです。自動機などの開発・設計者にとって、空圧設計は欠かせないスキルと言えます。一方で、さまざまな仕事が求められるようになってきた自動化装置では、空気圧機器・システムの製品および技術動向を知り、...

設計者にとっては定番です。春山先生の自動化設備の開発虎の巻の連載もありますね。

 

機械技術

機械技術 | 本・雑誌 日刊工業新聞
製品の高機能化に伴い、構成する材料として、チタンやコバルトクロムなど新素材・難削材の採用が進んでいる。工作機械・工具メーカーから高精度や効率化に向けた製品や技術の提案が見られようになっている一方で、実務に役立つ加工技術の整理と確立が新素材・難削材加工において課題だ。特集では新素材・難削材加工に必要な基本知識と戦略を解説...

上記の機械設計と同じ、日刊工業新聞社の雑誌です。

 

工程管理

工場管理 | 本・雑誌 日刊工業新聞
産業界や生活様式を一変させた新型コロナによって、働き方改革が急激に加速した。工場業務も属人的な業務を改善するため、デジタルツール活用の機運が高まっている。本臨時増刊号では、アナログ手法・思考による弊害や業務のムダを洗い出し、設計・購買・生産管理・製造・品質保証・物流・総務の業務工程ごとにデジタル化の着眼点と改善の進め方...

同じく日刊工業新聞社の雑誌です。生産技術者向けです。

 

機械の研究

機械の研究 | 株式会社 養賢堂
本誌「機械の研究」は、1949年(昭和24年)、それまでの機械工学の概念を脱却して、工学・工業の一環としての機械工学に関する新しい研究と技術の進歩を提供する事をその主眼に創刊した月刊誌です。工学全般・工業に関連した研究分野において、最新かつ重要な学理および興味深い研究成果を平易に解説しています。

機械工学の新しい研究、技術進歩にフォーカスした雑誌です。

 

生産財マーケティング

月刊 生産財マーケティング
Just another ニュースダイジェスト社 site

工作機械といったらコレです!!絶対に読みましょう。絶対に読みましょう。

 

ツールエンジニア

大河出版 / ツールエンジニア

加工の現場で働くマシンオペレータ向けの雑誌です。

図書館

情報や知識を深掘りしていきたいならやっぱり学術書が一番です。買うと高いので、図書館で借りるのが良いですね。私も読みたい工作機械の本があり、高すぎて買えずに困っていました。ザーマシンの夢-日本工作機械工業史-』という本なのですが、これ1万円近くするんですよ。子供の絵本を借りるために立ち寄った近所の図書館をダメもとで探したら、その本が置いてあって、感動した覚えがあります。図書館、侮りがたし!!

 

最寄りの図書館は下記から検索できるようです。便利ですね。

カーリルローカル
カーリルローカルでは地域資料など、 図書館の様々な情報をまとめて検索できます。

インターネット

最も素早く簡単に情報を入手することができるのがインターネットですね。発信者は企業から個人まで幅広いです。情報を入手しやすい反面、情報の信憑性を判断したり取捨選択する必要があります

Google先生(検索エンジン)

もはや語る必要もないですね。みんな大好き、Google先生。世界で一番物知りな先生です。調べたいことがあったら、まずここで調べますよね。お手軽、簡単なイメージですが、調べ方にコツやセンスが必要ですし、検索エンジン側のアルゴリズムが変われば、同じ検索ワードでも違うwebサイトがヒットするようになります。実は安定しているとは言い難い部分はあります。

 

また日本語で検索するよりも英語で検索した方が情報量が圧倒的に多いです。世界的には英語が共通言語ですので、情報が多いのは当たり前といえば当たり前ですが。日本語で調べると、日本人向けに加工された情報しか得ることができません。そういう意味でも、英語が出来る人はかなり大きなアドバンテージを持っているんですね。まあ、文章で調べるなら翻訳機能使えば良いじゃんという意見もありますけどね。

 

Googleアラートという機能も情報収集には便利なようです。自分が気になるキーワードを事前に登録してしておけば、google側が情報を集めてメールで連絡してくれるんだとか。私はまだ使ったことないですが、試してみようと思います。

 

使い方の参考

Googleアラートの設定方法|効率よく情報を収集するコツとは?
インターネット上には多くの情報があふれる現代において、自分に必要な情報を収集するのは労力がかかります。Googleアラートを設定すれば、自身が関心の強いキーワードについて、最新情報を効率よく収集でき、ビジネスでも活用可能です。 Googleアラートを設定するには、関心の強いキーワードを登録する必要があります。単純にキー...

ニュースサイト(ポータルサイト)

企業が運営するニュースサイトです。最新の製品や企業の取り組み、その他のトピックが幅広く網羅されています。定期的に閲覧する習慣をつけると、最新情報に明るい技術者になれますね。ものづくり関連のニュースサイトで代表的なものを紹介します。

 

日経クロステック

日経クロステック(xTECH)
テクノロジーの進化によって様々な業界の境界(クロス)領域で新たなビジネスが続々と誕生する今、どこの誰と、どう組めば新たなチャンスを掴むことができるのか。日経クロステック(xTECH)は、 ITから電機、自動車、建設、土木まで、今をえぐり、一歩先を照らす情報をお届けします。

 

日刊工業新聞

日刊工業新聞 電子版
日刊工業新聞の電子版。日刊工業新聞が紙面で提供している、およそ250件の記事を毎日閲覧することができます。機械、技術、情報通信、エネルギー、産業などの専門情報をご提供します。

 

Robot digest

robot digest(ロボットダイジェスト)|産業用ロボットに特化したウェブマガジンrobot-digest
産業用ロボットのあらゆる情報がここに集結。ロボットのユーザーや本体・周辺機器メーカー、システムインテグレーター(SIer)、設備機械商社など産業用ロボットに関わる全ての方々に向けたウェブマガジン。

 

Tech Note

ものづくり&まちづくり BtoB情報サイト「Tech Note」
1948年~1949年にかけて、アメリカのベル研究所のジョン・バーディン、ウォルター・ブラッテン、ウィリアム・ショクレーによるトランジスタの発見で、エレクトロニクスの主役がそれまでの真空管から半導体になったことは広く知られています。1980年代には、日本がSi半導体メモリで世界のトップメーカーとなり、半導体立国といわれ...

 

Monoist

MONOist
モノづくりスペシャリストのための情報ポータル

 

@engineer

製造業関連情報総合ポータルサイト - @engineer
製造業に携わるエンジニアのパートナーとして@engineerは、技術者同士の交流を可能にしたソーシャルメディアサービスの提供、ニーズに応じた企業・製品・技術の検索、WEBプロモーションを中心とした営業支援サービスなどを提供しています。

 

etc・・・・ 上げればキリがないのですがとりあえずここまでとします。他にオススメのサイトがあれば是非教えてください。

ブログ

技術ブログの閲覧なども、情報集取にはうってつけです。雑誌などでは知り得ないような掘り下げた業界情報も書いてあったりなかったり。ただし、発信者は個人が多いので、企業のブログやニュースサイトに比べれば、情報の信頼度は落ちます。情報源を示していない三次情報も多く盛り込まれているので全てを鵜呑みにしてはいけませんよ。

 

私は発見した技術ブログを下記のページに書き溜めています。(適時更新中)

情報収集の参考にしていただければ幸いです。リンクの追加も喜んで行いますので、技術ブロガーの方は是非連絡ください!!

 

Link
私が発見した技術ブログや有益なサイトへのリンクをひたすら書き溜めていく相互リンクならぬ、片想いリンクページです。基本的に技術ブログや有益なサイトを見つけ次第、リンクを飛ばすスタイルですね。数が増えてきたらジャンルごとの分類します。と...

YouTube

最近はものづくり系Youtuberも増えてきており、Youtubeで情報収集をすることも可能です。企業や町工場のPRにも使われており、ものづくりカテゴリーがどんどん盛り上がっている印象です。勉強としても申し分なし、動画で見れる分、難しい概念も理解もしやすいです。私は自分の設計した機械の機種名でエゴサーチして、どういう人が使っているのか、どういう使われ方をしているのか調べたりもしてます。

 

機械加工系のカテゴリーで強いのは、やっぱりなんとか重工さんですね。知らない人はぜひ見てください、面白いですよ!!

チュッパチャプスが開かないときの対処法。

SNS

他の技術者との交流も情報収集の手段の一つです。SNSを上手く利用することで、他の技術者から良い刺激や情報を得ることができます。私がメインに使用しているのはTwitterです。毎日、なんらかの情報を発信して、それに対する返信をいただくことで他の技術者の方々と交流しています。

 

思わぬところで知識が得られたり、ツッコミが入って考えを改めるキッカケになったり非常に面白いです。ただ、誹謗中傷されたり、炎上したりというリスクもありますので使い方には注意が必要です。(幸いなことに私は経験がありませんが)

 

SNSに限らず、インターネットを用いた情報収集全てに言えることですが、万能というわけではありません。2Ch創設者 西村ひろゆき氏の言葉を借りれば

 

「嘘を嘘で見抜ける人でないと、(インターネットでの情報収集は)難しい」

 

と感じますね。情報リテラシー大切です。

展示会

百聞は一見にしかず、一次情報を得ようと思ったら実物を見るのが一番です。そこで重宝されるのは展示会です。最新の機械や要素技術を実際にみることができ、そのまま商談もすることができます。Twitterでも、皆さん特に展示会を重視されていました。流石ですね。

 

最近では、コロナの影響もあり展示会の中止が相次ぎましたが、だんだんと開催されるものが増えてきましたね。直近の展示会の一例を紹介します。

 

JIMTOF2020(webでの開催)

JIMTOF2020 第30回日本国際工作機械見本市
JIMTOF2018 第29回日本国際工作機械見本市, 工作機械およびその関連機器等の内外商取引の促進ならびに国際間の技術の交流をはかり、もって産業の発展と貿易の振興に寄与することを目的とする。2018年11月1日(木)~11月6日(火) , 東京ビッグサイト(東京国際展示場)全館

 

MECT2021

MECT2021 メカトロテックジャパン2021
「MECT2021」メカトロテックジャパン2021の公式ウェブサイトです。

 

スマート工場EXPO

-[名古屋] スマート工場 EXPO - 製造業IoT、AI、FA/ロボット による製造革新展 | リードエグジビションジャパン
スマート工場 EXPO とは、製造業IoT、AI、FA/ロボット による製造革新展です。スマート工場を実現するためのIoTソリューション、FA/ロボット、AIなどの最新技術・ソリューションが一堂に出展する専門展。来場する製造業の工場管理、生産技術者と出展企業との商談・技術相談の場です。リードエグジビションジャパン株式会...

 

ROBOT TECHNOLOGY JAPAN2020 (※中止 次回2022年7月)

愛知のロボット展示会「ロボットテクノロジージャパン」2020年開催!
愛知のロボット展示会「ロボットテクノロジージャパン」は生産現場などで活用される産業用ロボットと自動化システムに特化した専門展示会です。2020年に愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)で開催予定です。

 

機械要素技術展

機械要素技術展(M-Tech) | 日本ものづくりワールド
機械部品、加工技術を集めた展示会。ベアリング、モータ、センサ、ねじ、ばね、配管部品や、切削、プレス、鋳造、メッキ、バリ取り、洗浄技術などが出展。

まとめ

本記事のまとめです。

 

・情報には、一次情報、二次情報、三次情報がある。

・一次情報が最も情報価値が硬く、入手が困難。

・技術者の情報収集は主に学会誌、雑誌、図書館、インターネット、展示会。

・嘘を嘘で見抜ける人でないと、(インターネットでの情報収集は)難しい。

 

Twitterで情報収集に関するつぶやきをしたとき、こんな言葉をいただきました。

 

“情報の量は、移動距離に比例し、質は体験に比例する”

 

これは非常に良い言葉だと思いました。インターネットで簡単に情報が手に入るようになった今、我々はその場に居ながらしにて様々な情報に触れることができます。しかし、それらは全て二次情報か三次情報。場合によってはガセネタであってもおかしくはありません。冒頭では、何に質の良い二次情報を効率よく手に入れるかがポイントとなる。”と書きましたが、どんなに頑張ってもやはり二次情報は二次情報なのです。絶対的に質の良い情報とは、やはり一次情報であり、それは体験でしか得られないものです。そして体験は、を動かさなければ得ることができないのです。

 

とある雑誌記者の方は「良い靴をはかないこと」を一つの拘りとしているそうです。ものづくり現場の実物を見る際、油や切屑を踏むのを躊躇わずに取材するためだそうで、これこそまさに、“情報を足で稼ぐ”だなと思った記憶があります。本記事で色々な情報収集の方法を色々とまとめましたが、今の時代であってもやはり自分の足で稼いだ情報にこそ本当の価値があるんですね。

 

ただ足で稼ぐといっても、実際に多くの距離を移動する必要はないと私は思います。今の時代、Webミーティングを使えば誰とだって面と向って話せますし、家に居てもAmazonなどで何でも買えます。昔と違い、移動せずとも、交流や体験・実践ができる環境が整っているのです。真の意味で重要なのは、情報収集のために思い立ったら行動することです。躊躇わず、まずやってみる、行ってみる、とにかく腰を上げる。迷わずに、どんどん行動していきましょう!!情報とはそのように“心の足で稼ぐ”ことが最も大切なのだと思います。