開発日誌 コラム

実際どうなの!? 3Dプリント代行サービス

3Dプリンタを使ってモノづくりをしてみたい!!でも、3Dプリンタは高くて買えないし・・・ 

そんなあなたに朗報です。3Dデータだけ渡せば、3Dプリントしてくれる代行サービスがあるんです。私は3Dプリンタに関しては、ズブの素人でまったく使ったことがありません。今回はそんな私が3Dプリント代行サービスを使って簡単なものづくりをしてみましたというお話です。実際にサービスを使ってた感想を記事にしていきたいと思います。

結論から言えば、このサービスすごいよ!!  

3Dプリント代行サービスって何?

その名の通り、3Dプリントを代行してくれるサービスです。 プリント用の3Dデータさえ作って渡せば、3Dプリントを代行してくれて、できたモノを家に発送してくれます。 今でこそ、少し背を伸ばせば個人用の3Dプリンタが買える時代になりました。とはいっても、まだまだ価格は高いし、安物では印刷の品質が安定しません。それに、買ったのはいいけど、結局使わずに埃をかぶることになるんじゃないか・・・なんて心配もありますよね。ガジェット好きあるあるですよね、私もよく経験します。安くない買い物だけに、なかなか踏ん切りがつかない、でも3Dプリンタでモノを作ってみたい。

そんな時こそ、まさにこのサービスの出番です!!

3Dプリント代行サービスを請け負っている会社はいくつもあるみたいです。代表的な会社は下記に並べてみました。

https://3day-printer.com/
https://make.dmm.com/print/
https://jmc-nylon.jp/?gclid=EAIaIQobChMIquaM9ebP7QIVQtiWCh3w3Q6VEAAYAiAAEgL-GPD_BwE


JMC社は企業向けっぽいですね。個人で使用できそうなのは、3DayプリンターDMM.makeの2社ですね。今回は3Dプリント代行サービスの最大手であるDMM.makeの3Dプリント代行サービスを使用していきます。

3Dプリント代行サービスを使ってみよう

今回、3Dプリントを依頼するモデルは本ブログのマスコットキャラクタである“メカロトザウルス君”です。

メカトロザウルス君の3Dモデルは、iPad用の3DCAD shapr3Dの紹介記事の時に作ったものを使用します。shapr3Dが気になる人はこの記事を読んでみてくださいね。これもすごいCADですよ!


さて、話は戻って、早速3Dプリントを依頼してきましょう。制作依頼自体はすごく簡単で、DMMでアカウントを作ったのちに3Dモデルデータをアップロードするだけです。3Dプリントで使用するモデルデータはSTLファイルという形式で、どの3DCADでも大体書き出すことができるはずです。ただ3Dプリントの特性上、どうしても印刷できない形状もあります。例えば、中が空洞の部品なんかですね。DMM.makeのサイト上にモデル作成の注意事項が書いてあるので事前に読むようにしましょう。モデルを作り出す前にしっかり読んでおくと、手戻りがなくて効率的ですよ。


メカトロザウルス君の3Dモデルをざっと見直した感じ、特に問題はなさそうでした。なので作ったモデルをそのまま書き出してアップロードしてみました。

すると一日くらいで、印刷ができるかどうか見積もりがメールで送られてきました。メカトロザウルス君は無事に検査に合格し、3Dプリントは問題なくできるようです。ちなみに印刷の値段は、プリントする材質によって大きく差があります。DMM.makeでは、業界最大級の32種類の材質を扱っているようです。目移りしてしまいますね、幅広い材質から選べるもの3Dプリント代行の強みの一つです。

さてさて、実は・・・ここで一つミスをしてしまいましたことを発見しました。3Dモデルを作るとき、モデルの大きさをあまり意識してなかったんですよね。このメカトロザウルス君はだいたい5センチ角くらいの大きさです。フィギュアにしては、そこそこデカいよね。


3Dプリントの値段は、印刷物の体積に比例するのでデカいと高いんです。5センチのメカトロザウルス君はもっとも安い材料“ナイロン”であっても5800円・・・いやー大きいと迫力あっていいんだけど、これで5800円は高いね。大体、月のお小遣いの1/4を持ってかれてしまします・・・というわけでこのモデルでの制作は断念。一度モデルをリサイズして、3センチ角くらいにしてふたたびアップロード。今度はナイロンで1800円、まあこれなら及第点かな!!というわけで、3センチ角のメカトロザウルス君で正式に3Dプリントの申し込みをしました。アップロードと見積もりはいくらやってもタダなので、何回でもやり直せます。(まあ、返答が来るまでに半日から1日くらい掛かるんですけどね)

正式にプリント依頼を出した次の日、担当者からこんなメールが届きました。


なるほど、適当にリサイズしちゃったらかなり細くなる部分ができてしまったみたいです。こういうところを丁寧に確認してくれるのも、代行サービスならではですね。まあ専用ソフトで自動的に検出しているだけかもしれませんが。今回は細かい部分の造形は気にしないので、このまま3Dプリントをお願いしました。

そして、それから3日後・・・届きました3Dメカトロザウルス君!!!!

おお、これはなかなかいい感じだぞ!確かに事前に指摘があった歯の部分は、しっかり形ができているかと言われたら微妙ですね。なんか、虫歯で歯が溶けちゃった感じですね・・(笑)

それ以外の全体としては、非常に綺麗に造形されていて美しい。材質のナイロンは独特の毛羽立ちがあって、あんまりフィギュアって感じではないですが、安くていいですね。それにしても3Dプリントってこんなに簡単にできるのか・・・もっと早くやってればよかった。やっぱり自分のアイディアで作ったものっていいですよね、すごく愛着が湧いてきます。こいつをパソコンデスクの片隅に置いておくだけでも、ブログ執筆意欲が倍増です!!

さらに、DMM.makeには他の代行サービスとは一味違う特徴があります。なんと自分が作ったこの製品をそのまま売り出すことができるんです。クリエーターズマーケットいうサービスです。もちろん、他のクリエーター達が作ったオリジナル製品を購入することもできます。ものは試しで自分のショップを作ってみましょう。

https://make.dmm.com/shop/268344/


少し情報を入力するだけで、しぶちょー技術研究所の3Dプリントショップを開設することができました。今、試しにメカトロザウルス君のフィギュアを出品申請しているんですが、申請通ったら買えちゃうんですよ!メカトロザウルス君!!(お試しで出品申請してるだけなので、申請通ったらすぐ消しちゃいますけどね)

ショップを作るのも出品も無料だし、これは本当に面白いサービスですね。クリエーター側はモデルを作るだけで在庫を抱える必要がない。欲しい人は好きな材質を選んで注文すればDMM.makeが3Dプリントして発送してくれるというわけです。売れたら、クリエータ側にマージンが入ります。この仕組みを考えた人は天才としか思えないですね。正直な話、これだけで生計を立てるのはかなりの努力が必要だと思います、お小遣い程度稼げればいいかというレベルでもかなりハードルが高いと思います。しかし、自分のアイディアを形にして価値を売ることができる環境がこんな秒速で手に入るというのは・・・これはとんでもないことですよね!3Dモデリングを練習するモチベーションも上がりますし、良いことしかありません!

さてさて、ここからは実際に使って感じたメリット・デメリットを書いていきます。私はそこまで3Dプリンタに詳しいわけではないので、かなり素人目線です。もし的外れなこと言ってたらすみませんね。

代行サービスのメリット 

材質を自由に選べる 

3Dプリンタはその種類によって印刷できる材質が限られています。個人で色々な材質を印刷したい場合、それに適応する色々な3Dプリンタを買う必要があります。印刷して飾るだけならいいですけどね・・・用途によって必要な材質も違いますし、使用するために強度が必要だというなら材質の選定はとても重要になってきます。代行サービスでは、豊富な材料ラインナップのなかから最適な材料を選ぶことができるので、より安心なものづくりができます

仕上がりが保証されている 

3Dプリントは印刷の特性上、形状によってはサポート材というものを印刷する必要があります。サポート材とは、製品の形状としては不要なんだけど、印刷するために仕方なく必要な部分です。家庭用の3Dプリンタでは印刷後は、サポート材を除去するという面倒な作業が待っています。話によると、これがなかなか大変なんだとか・・・。代行サービスではサポート材除去まで行い、完成品を送ってくれるので面倒な作業をする必要がありません。また、上述したように3Dモデル形状もしっかりチェックしてくれて、不具合が出そうな場合は事前に連絡をくれます。そういった手厚いサポートも魅力的ですね。とにかく失敗することが少ないということですね。

代行サービスのデメリット 

価格が高い

代行サービスは、手間賃が入っている分どうしても割高です。3Dプリントを頻繁に使用する人は、個人で3Dプリンタを買った方が長い目で見て安いかもしれません。ただ、サポート材の除去の時間を自分の人件費として換算すると、トントンかも?その辺りは自分のDIYスタイルと相談が必要です。

納入までに時間が掛かる 

3Dプリンタの最大の魅力は、思い立った瞬間にものが作れることです。印刷には数時間から数十時間の時間がかかりますが、3Dプリンタを持っていれば“寝る前に印刷をスタートすれば起きる頃にはできてる“とかそういったことが可能です。これは非常にロマンがありますよね。これこそ3Dプリンタの醍醐味です。代行サービスの場合、そのスピード感が損なわれます。印刷依頼から受け取りまで、どんなに早くても3日か4日はかかるでしょう。配送を受け取るのも手間ですし、自分で作った感がなく、ものを買った感がありますね。このように3Dプリント代行サービスも一丁一旦だと感じました。やっぱり、ガジェット好きとしては3Dプリンタが欲しくなっちゃいますね。

まとめ 

本記事の復習をしましょう。

・3Dプリントを代行して、製品を発送してくれるサービスがある。
・代行サービスを行なっている会社は複数あるが、最大手はDMM.
make
・3Dプリンタに詳しくなくても全然使える(体験談)
・メリットは材質を自由に選べること、品質が保証されていること
・デメリットは価格が高いこと、時間がかかること


3Dプリンタの登場により、モノを作り出すハードルが劇的に下がりました。特別な技術や工具がなくても、3Dモデルさえあれば形を作り出せるようになったからです。3Dモデルを作るという部分にハードルがありましたが、それすら無料で使える3DCADの登場により取り去られました。CADの使い方も本やネット上で情報を得ることができます。そして気軽に使える3Dプリント代行サービスの登場により、3Dプリンタを所有する必要すらなくなりました。

最近では、DIYの流行によって“ファブスペース“と呼ばれる皆んなで使えるものづくりスペースも数が増えてきているようです。ファブスペースには、さまざまな工作機器が置いてあり、そう言った機器を共有して使うことでDIYを楽しむことができます。場所によっては、旋盤やフライス盤を使えることころもあるんだとか。そういったスペースの増加とともに、自社工場を工場を持たない企業も増えてきているようですね。

もはや、ものづくりをするのに何かを所有する必要はないのかもしれません。実際、私もこのメカトロザウルス君を作るのには、iPadしか使っていません。3Dモデルの作成やデータの書き出し、アップロードから印刷依頼に至るまで全て机上で終わっています。もっと言えば、キャラクターを考えるときの初期のスケッチすらiPadでやりました。アイディアとモチベーションさえあれば、形を作り出すことができるんです。

ものを作る技術を持つ人だけが活躍する社会でなく、技術がなくてもアイディアを持っている人が活躍できる社会になりつつあるように感じます。しかし、有名なインフルエンサーの人達は、アイディアには価値がないとよく言います。これはアイディアは実現してこそ価値があるもので、アイディアを閃いただけではなんの価値もないということです。こんなものがあったらいいのに、とかこういうことができればいいのに・・・と頭の中で描いている妄想。実は全然、実現可能なんじゃないですか?

今この時代に生まれたことを幸せだと思って、あなたも閃きや妄想を“形”にしてみませんか。そのためのまさに第一歩を、今回紹介した3Dプリント代行サービスが担ってくれるかもしれません。

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