iPad用の3DCADアプリ”Shapr3D”ってどんな感じ?

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もしかしてあなた・・・まだパソコンで3D CAD使っているんですか?

 

あなたがパソコンの電源を入れて、ソフトの起動をダラダラ待っている間、私は颯爽とiPadを開き、クリエイティブな作業を始めています。3D CAD用のハイスペックパソコンなど、もはや発熱するだけの暖房器具でしかありません。3D CADを自由に持ち歩いて、好きなところで設計する。そんな創造の自由を手に入れませんか、そうこのShapr3Dでね。

 

というわけで、今回はiPad用の3D CADソフトShapr3Dのレビュー記事です。どこでも使える、持ち運べる3D CADというまさに夢のようなアプリ。本記事では機械設計という視点からこのアプリをレビューしたいと思います。

 

Shapr3Dとは?

Shapar3DはiPadPro用の3D CADアプリです。2016年にタブレット初の 3D CADアプリとしてリリースされました。課金システムはありますが、基本作業はなんと“無料“で行うことができます。

Design manufacturable 3D models with Shapr3D on-the-go

 

iPadProさえ持っていれば、 無料で使えちゃうってわけです。これはすごいアプリですよ。スタバでキャラメルフラペチーノ片手に颯爽と3Dモデリングなんてしてみてくださいよ。あなたもたちまちスタイリッシュサラリーマンの仲間入りです。

 

ちなみに私は“気になるものはお金を払って試してみる“ということを信条としているので、定額課金契約して有料で使い始めました。このアプリを初めて使ったとき、思わず声が出ましたね。

 

うわ、なにこれすげー!!

 

とにかく皆さんにも一度味わっていただきたい。マジで感動モノです。まあ仕事で使うことはないんですけど、モノは試しということでこのアプリを有効に活用して色々作っていこうと思います。手始めにこんなのを作ってみました。

 

 

本ブログのマスコットキャラクタである“メカトロザウルス君”の3Dモデルです。制作時間は、このモデルで2時間半くらいですね。ほぼ使い方を知らない状態からのスタートでしたが、その程度の時間で作ることができましたよ。

 

では、早速レビューしてきます。

 

とにかくここがすごい!!

使ってみて感動した点をピックアップして紹介します。

直感的なユーザーインターフェース

Shapr3Dは直感的に操作できることに特化した 3D CADです。説明をしっかり読まなくてもなんとなくで使えてしまいます。パソコンで使う 3D CADとは異なり、基本操作は全てタッチパネルでの操作となります。面白いのは、タッチペンの操作と指での操作が完全に分かれている点です。それ故にこのアプリを使用する場合は、タッチペンは必須です。

 

例を挙げれば

 

・モデルの回転やビューの操作は指でのタッチ

・スケッチ、押し出しなどモデル形状に関する操作はタッチペン

 

 

といった感じです。マウスでカチカチ操作するよりも圧倒的に素早く操作できます。この直感的な感覚はすごいですよ、これがこのアプリの最も優れている部分だと言っても過言ではありません。まるで手元の実際に 3Dモデルがあって、それを粘土のように手で捏ねてモデリングしているかのようです。どれだけ手数を少なく、モデルを効率的に弄れるか。そういう工夫が、このアプリにはこれでもかというほど詰め込まれています。

 

直感的な操作だと、不思議とインスピレーションの沸き方も違うんですよね。こういう形どうだろうか?という閃きを逃さないというんでしょうかね。いつもと脳の違う部分を使っているのか、普段の 3D CADとは違う閃きがあったりします。この操作に慣れると普通の3DCAD操作が鬱陶しく感じますよ。

 

操作説明の動画が出てくる

このアプリはとにかくユーザーフレンドリー に設計されています。操作を指定するたび、上部に小さなウィンドウズで“使い方の動画“が流れます。そこをクリックすれば、そのコマンドは何ができてどのように操作する必要があるのか、動画で説明を見ることができるんです。

 

 

従来の3D CADソフト特有の呪文のようなヘルプとはもうおさらば。ちょっと話逸れますけど、あのヘルプは正直、人に理解してもらおうという気ないですよね。エラー表示もポーネグリフ並の暗号です。

 

その点、Shapr3Dは過剰接待と言ってもいいくらいのフレンドリーです。補助輪付き 3D CADと言っても過言ではないですよ、これは。

 

どこでも3DCADが使えるという体験

従来のCADと圧倒的に違う点はやはり、持ち運べるという点でしょう。言い換えれば、“場所を選ばない“ということです。電車の中、喫茶店、向かいのホーム、路地裏の窓、そんなとこでやるはずもないのにという場所でさえ、どこでも使えるんです。

 

席に座って、PCに電源を入れて・・・よしやるか

 

これはもはや時間の無駄じゃないかと思えてくるほどです。思い立った瞬間、即座に作業に入れる環境。これは創造を持ち歩いているようなものだと思います。この環境が手に入る等だけでも十分に資する価値ありですよ。

無料でも全然使える

iPadProさえ持っていれば無料で使えてしまう。もはや商売をする気があるのかと疑いたくなるような暴挙です。当然、有料版と比較して機能制限はありますが中間ファイルの書き出しもできるから、普通に問題なく使えます。

 

いやいや、iPadPro持ってないし・・・

 

という人は、とりあえずiPadProを買うことから始めましょう。Twitterでも何度か紹介していますが、私はブログ作成に関わるほぼ全ての作業をiPadProだけでやっています。挿絵の作成、原稿の下書き、調べ物。またプログラミング言語Pythonの勉強なども全てiPadProでやってます。(もちろんデスクトップPCは持ってますけど。)すごく便利なので、iPadはぜひとも買って欲しいですね。

 

ここが惜しい!!

私は持ち上げたら、しっかり落とすタイプですよ。別にShapr3Dの回し者でもないので、残念な点もズバッと紹介していきます。

図面が書けない

このShapr3Dでできるのは、モデルの作成までです。図面を書くことはできません。 あくまでもモデリングに特化した3DCADだということですね。私は元々、2Dの図面は無くなった方が良いんじゃないかという考えを持っているので 正直、この点はあまり気にならないんですけどね。その話は下記の記事に詳しく書いてあるので時間あれば読んでください。

 

固定観念を打ち破れ!!図面レス化への道~MBDの取り組み~
MBDとは、モデルベース定義の略です。簡単に言うと"図面は書かずに3Dモデルだけに全ての情報を統合しようよ“という取り組みです。図面は絶対に必要だという「固定観念」に囚われていませんか。今こそ、図面信仰の固定観念から解き放たれるときです。MBDの取り組みを紹介します。MBD:Model Based Definition、3Dアノテーション etc・・・

 

ただ、現状は実務レベルの機械設計に使うのであれば2Dの作図機能は必須です。 つまりはこのソフトだけでは、機械設計は完結できないということですね。2D図面の作図こそ、タッチペンの真価が発揮されそうな感じもするので、その点は残念ですね。

 

ある程度、モデルを作ったら中間ファイルに書き出して、他のCADに移して作業するというのが現実的な使い方です。加えて言うなら、構造体の解析機能もないので設計検証も行うことができません。それもこの価格帯のCADに期待することではないんですけどね。結論、Shapr3Dで機械設計を完結させることはできず他のCADも併用して使う必要があるということです。

基本的に英語

完全に日本語対応しているようにみえて、実はしてない部分が多いです。”対応している風”の部分が多いので、この点はだまされてはいけません。 翻訳ツール使えばいいんだけなんだけどね、英語の勉強になると逆に考えることもできますし。

 

ただ、あまりにも日本語対応できてます感を醸し出しすぎです。結構勘違いしてしまいます。 例えば、これ。こんなの明らかに日本語で読めるだろと思いますが、飛ばされるのは英語のブログ。

 

 

 

次にこれ。日本語で丁寧に説明してくれるのかな?と思いきや、飛ばされるのYOUTUBE。(日本語字幕無し)

 

 

Sketching | Draw 2D sketches

日本語ちゃうんかーい!!

 

チャットサポート機能とかついてるんですけど、日本語対応してるんですかね?おそらくしていないでしょうね。英語勉強しろってことですね、前向きに捉えましょう!

モデルの概念が独特

直感的に使いやすい反面、従来の3DCADの概念とは全くことなるため既に3DCADを使用した経験のある人は苦労すると思います。

ツリーの概念がない

もしかしたらあるのかもしれませんが、私は見つけられませんでした。 通常の3CADであれば、モデルに対する修正履歴(ツリー)が残るのですが、Shapr3Dではそういう概念はありません。例えば穴を開けてそれを修正しようと思った場合、モデルのツリーを遡ってスケッチを編集して、穴のサイズを変えたり位置を変えたりするのが一般的な操作です。

 

Shapr3Dでは、一度あけた穴はもう一度スケッチを書いて埋めてから再度スケッチを描いてあけ直す。もしくは穴自体をドラックで移動させる。という感じの操作です。モデルを前の状態に戻すということができませんし、今までどう弄ってきたかという履歴が全く残りません。結果だけが残るキングクリムゾンCADです。

 

とにかくスケッチの扱いが独特すぎて、慣れるのに時間がかかります。 これは文章で説明するよりも実際に使ってもらった方がわかると思いますので、詳細は割愛します。

拘束がない

二つのモデルがあったとき、位置関係を拘束することで 決まった方向にしかモデルを動かなくする”拘束”という機能。

 

通常の3DCADには当たり前にありますが、Shapr3Dでは見当たりません。CAD上で作ったリンク機構などが、正常に動くかどうかはこの拘束を使って確認することが多いのですが、それができないというのは痛いですね。モデリング中心のCADなので”機械の動作”に対してはあまり配慮していないのかもしれません。

計測の概念がない

図面を書く機能が無いからなのか、材料という概念すらありません。重量を測ったり、寸法を測るというコマンドが存在しません。(寸法は一応図れるんですが、結構わかりにくい)この点は機械設計をする上で、結構ネックになる部分です。重心とか知りたいしね。

初期投資が必要

上述の通り、このアプリを使用するためにはiPadProが必要です。そしてタッチペンも必ず必要です。仕様を考えれば、サードパーティのものではなくApple Pencilを用意した方がよいでしょう。このCADを使うためだけの投資と考えると、これだけで十万円程度の出費になります。更にサブスクリプション契約をするなら、そこに年間25800円の出費が追加になります。

 

iPadProを他の用途でも使用する予定があるのであれば、iPadProの購入は絶対的にオススメです。ただし、もしShapr3DのためだけにiPadProの購入を考えているのであれば、一度冷静になった方がよいです。

 

えっ!?さっきあれだけ激押ししていたのに!?さっきと違う人なの?

 

安心してください、同じ人ですよ。もし3DCADを使いたいという話だけであればその投資をパソコンに回して、無料の3DCADソフトFusion360を使った方が良いという意味です。 CADとしてだけみればFusion360の方が圧倒的に優秀です。

 

“3DCADを持ち歩く”ということが自分のライフスタイルとマッチするかどうかを冷静に考えてください。そこに大きなメリットを感じて、尚且つiPadProを他の用途でも使用するのであれば、即ポチリでOKですよ。

 

まとめ

本記事の復習をしましょう。

 

・Shapr3DはiPadPro用の 3D CADアプリ

・どこにいても 3D CADを触ることができる

・直感的にモデルを操作することができる

・ユーザフレンドリーで初心者にもオススメ

・設計実務を簡潔させるには機能は不十分

 

前半に持ち上げ、後半には色々と文句も書きましたがShapr3D・・・結論として素晴らしいアプリだと思います。

 

ただiPadで使える分、機能的な制約もあり、当然プロが業務で使っているCADソフトには及びません。あくまでも3Dモデルを作ることのみに特化したCADという印象ですね。機械設計の開発プロセスを全て補完できるものではないですし、機械設計の実務で使用するのは少し難しいでしょう。どちらかといえばDIYerや3Dモデラー向けのCADだと思いました。

 

ただ3Dプリンタを使う人にとっては神のツールといっても過言ではないかもしれません。私は一度も3Dプリンタ使ったこと無いですけど、この機会に色々とチャレンジしていこうと思います。まずは、今回作ったメカトロザウルス君のモデルを仕上げて印刷依頼でもしてみようかな。

 

Shapr3Dをインストールして間もない頃は

 

思い立ったアイディアを即3Dモデルに落としこめる!!

これはまさに3Dポンチ、これこそ新時代のスタイルだ!!

 

とか思ってましたけど、やっぱりポンチ絵は紙に書いたほうが早いね(笑)

 

場所を選ばないとも書きましたが、実際電車の中で使うと揺れてしまってなかなか上手く使えません。それに冷静に考えてみたら、外に出て3DCADを使う機会ってなかなか無いですよね。本末転倒ですが3DCADを使うつもりで外に出ないと、おそらく使いませんよ。だったら最初から、家でやれよって感じです。気分転換には良いかもしれませんけどね。

 

ただPCの電源を入れなくてもさっと3Dモデルが触れるのは、かなりメリットがあります。子供が昼寝している30分だけ、寝る前の15分だけ、など隙間時間にも気軽にモデリングを挟めるようになりました。隙間時間の活用って、人生を左右すると思うですよね。たまに空く隙間時間の10分、15分をどれだけ生産性の高いことに使えるか、これは日々忙しいサラリーマンにとって重要なことです。そういう意味でも、このShapr3Dは非常に有用なツールだと言えると思いますよ!

 

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