最近、部屋の荷物を整理していたらこんなものが出てきました。
"就活日誌part1"
これは私が就職活動をしていた際につけていた"日誌"です。律儀に保存してあったみたいです。不意にタイムカプセルが出てきたような感じですね。ノートの中身を読んでみたところ、我ながら"結構真面目に就活してたんだなー"ということが良くわかりました。今から10年以上前のものになるので、このノートに書いてある情報自体には価値はありません。ただ、私の就職活動のときの考え方やリアルな心情も書いてあったので、これが現在の就活生に対して就職活動のヒントにならないかなと思いました。
本記事は、このひょっこりでてきた"就活日誌pat1"の中身を文字起こしして、過去の自分を振り返る、ならびに就活生に対して就職活動のヒントを与えようという記事です。現在、就職活動中の人、これから就職活動を始める人は是非参考にしてください。
ちなみに私は機械メーカーにて工作機械の機械設計の仕事をしています。詳細なプロフィールに関しては下記をご覧ください!!
就職活動で大切なこと
私が本記事で言いたいことはただ一つ
就職活動とは”自分と向き合う時間”
ということです。就職活動は、自己分析、業界研究、会社説明会、会社見学会、インターンシップ、面接・・・etc、とにかくやることが多くて忙しいです。特に会社説明会や見学会は一日時間が取られますし、慣れない環境で緊張して疲れます。就職活動系のイベント全てに言えることですが、参加すること自体には何の意味もありません。大切なのはそのイベントから何を学んだかです。
私の時代にも、説明会にたくさん参加することが就職活動だと勘違いしている人が多く居ました。就職活動系のイベントって、終わった後に特有の"達成感"があるんですよね。それに惑わされて"やったつもり"になっていはいけません。
就職活動の本質は、"自分自身、そして自分の人生と向き合うこと"だと思います。それまでの自分の人生を振り返って、自分のやりたいこと、夢について徹底的に考え抜いく、そういう時間だと思います。
一つ一つの就活イベントをやりっぱなしにせず、必ず考察して考え抜く。私が意識して実践したのはこれだけです。その手段として、この"就活日誌"に考察をまとめるということをしていました。自分の考えを文字に起こすと、思考を客観的に見ることが出来るため色々な気づきが生まれます。企業研究や自己分析も全てこのノート一冊で行っていました。
やり方は問いませんが、就活イベントの度に自分なりに考察する習慣を付けましょう。短文でも構いませんので、記憶が残っているその日の内にまとめるのがオススメですよ。
私は就職活動で一社も落ちませんでしたし、第一志望の会社に入ることができました。それもこの就活ノートで考え抜く習慣を付けたことが大きな要因となっている気がします。
ではでは、約14年前の私が書いた日誌の中身を見ていきましょう。冒頭でも言いましたが、文章の中身云々よりも"こういう感じで考察していたんだなー"という雰囲気が伝われば幸いです。全文書くと長くなるので、一部中略して書きます。また、稚拙な文章ではありますがノートに書いてあることをそのまま書き起こします。その方が当時の雰囲気が伝わりやすそうですしね!では、いきましょう。
就活日誌の中身を見ていこう
2010年10月30日 JIMTOF2010 1日目
◎考察
各ブースそれぞれに個性があったが、共通点もいくつかあった。一番わかりやすかったのが、各メーカーがそれぞれ「安い機械」を出していることである。スペックを落として・・・性能を削って・・・などの方法で従来機より機能は落ちるものの、それでも高精度でそして安く提供するという機械がどのメーカーにもあった。この背景には、中国や韓国の工作機械が高性能になり日本を追い上げてきたことが考えられる。(中略)高性能、高精度がアイデンティティだった日本の製品も、中国、韓国、台湾などが力をつけることによってそのアイデンティティすら危うくなってきている。安くて高性能な工作機械を出してくる他国に対し、どのように勝負していくかが今後の工作機械業界の大きな課題となりそうである。
◎反省、感想
各メーカーが丁寧に対応してくれたため、とてもわかりやすかった。工作機械の最先端を見ることができたのはとても重要なことである。しかしながら、学生対応ブースがない企業に対しては質問が出てこずにあやふやになってしまった。特に森精機は大手であるのに満足な説明が受けれていない。工作機械に対する質問も大切だが、今回の目的は企業を見ることにあるのでもっと企業に関する質問を積極的にぶつけなければならない。積極性が足りない。明日は時間も午前中だけと少ないので、効率的に積極的に行動することを心がける。
(補足)
JIMTOFは日本最大の工作機械の見本市です。もともと工作機械業界に興味のあった私は、このJIMTOFに参加することから就職活動を開始しました。
2010年10月31日 JIMTOF2010 2日目
◎考察
各企業にそれぞれの特徴があるのは当たり前だが、工作機械企業ではその特徴は「工作機械の種類」に表れる。牧野フライスを例に挙げれば、"金型を加工する工作機械が得意なのでMC(マシニングセンタ)や放電加工機などが強い"などである。会社説明会で説明してくれる企業の特徴は、どこも似たり寄ったりで「アフターサービスに力を入れている」「新しい技術開発に力を入れている」などが多い。本当のその企業のことを知るためには、第三者からの視点の情報をもっと集めなければならない。それは実際にその企業の機械を使っている技術者であったり、教授であったり足を伸ばせばいろいろな方面から収集することができる。多方面から集めた情報を整理した上で、その会社の説明会に行けばより有意義なものとなる。逆に何の下調べもなく説明会に行っても、話を聞いて満足するだけでほとんど意味がない。独自にどれだけ動けるかが重要である。
色々な企業に求める人物像を聞いてみたが、大企業ほど「論理的思考」「コミュニケーション能力」を重視する。ヤマザキマザックに至っては、「明るい人物は別に求めていない」と言っていた。論理的思考というのは実に定義が曖昧で何を指すのかいまひとつわからないが、ようは「自分の考えにどれだけ根っこがあるか」ということである。(中略)理論に関しても思想に関しても、揺るがない根の部分があるかどうかが重要である。その根を元にして理由や法則が生まれ、互いにリンクしているというイメージである。そしてそこで考えたことを他者に簡潔にわかりやすく伝えられ、他者の考えをしっかりと解釈できるかがコミュニケーション能力となる。根っこのないその場しのぎの話をすると、掘り下げられないし、矛盾も生まれる。論理的思考を身につけるには、まずその「根っこ」をしっかりと持つことが大切である。就職活動では、その一環として「自己分析」というものが必要になってくるだろう。しっかりとした根を作り上げることが重要である。
◎反省、感想
すごく役に立つ情報ばかりだったし、いい刺激にもなったので行って良かったと思っている。ただ、これで他人を出し抜いたとか、一歩リードしたなどと思ってはいけない。自分が今、置かれている環境がスローペースなだけで、他大学はもっと早く動いていた。焦ると周りがみえなくなるので、焦る必要はないが危機感は持っていたほうが良いだろう。今は工作機械業界を中心に調べているが、今後はもう少し広く調べたほうが良い。大切な時期なので、もっと時間をかけて考えていこう。自分が将来どうなりたいのかを明確にすることで、思考の根っこも作りやすくなる。今は色々な刺激を受けながら、しっかりと構想していくことが大切である。就活においては、行動力、積極性のある奴が有利だと思う。特に積極性に関しては、苦手分野ではあるが、克服しなければ勝機はない。今後の課題も積極性である。
(補足)
JIMTOFには泊りで参加したので、二日目のレポートですね。就活生向けのイベントも充実していたので他大学の知り合いも増え、非常に良い刺激を受けたのを朧げに覚えています。今一つ、積極的になれなかったことに焦りを感じているのが良くわかりますね。就活イベントには必ず、マシンガンのように企業に質問を浴びせる意識高い学生がいるものです。そういう人のペースに飲まれず、自分のペースで地に足を付けて活動すると良いでしょう。
2010年11月24日 キャリアセミナー
◎考察
自己分析とは玉ねぎの皮を剝いていくようなものである。ここからが芯という所をはっきりさせておかなければ、剥いたけど中身がなかったということになってしまう。自分にとって絶対の譲れない部分は何なのか?それを考える良い機会なので、ここで考察していく。自分にとってかけがえのないものをもう一度見つめ直し、整理してみる。
自分が働く目的(働くことで得たいもの)
・技術者として経験を積んで、自分だけにしか出来ないことを身に付けたい
・出世して人から認められたい
・今までになかった全く新しいものを作り出して、革命を起こしたい
・みんなから信頼されて、頼られる、やさしい人間になりたい
・圧倒的な知識、技術を身に付けて誰よりも優れたエンジニアになりたい
・多くのお金をもらって家族に裕福な暮らしをさせてやりたい
まだあるかもしれないが、思いつくのはこのくらいである。この中で順位をつけると
1 技術者として経験を積んで、自分だけにしか出来ないことを身に付けたい
2 今までになかった全く新しいものを作り出して、革命を起こしたい
3 圧倒的な知識、技術を身に付けて誰よりも優れたエンジニアになりたい
----------------------------妥協ライン--------------------------------
4 出世して人から認められたい
5 みんなから信頼されて、頼られる、やさしい人間になりたい
6 多くのお金をもらって家族に裕福な暮らしをさせてやりたい
となる。ではこの中でどこまでなら諦められるだろうか。妥協できるラインがどこにあるのかを考える。この場合、3位と4位の間に線引きをすることができる。自分にとって出世を諦めることはできても、エンジニアとして力をつけ夢を追うことは捨てられない。ここが絶対に譲れない芯の部分となる。仕事を通して得たいものは、まだ増えるかもしれないが、根本的にはこれが譲れない部分となるだろう。1,2,3をまとめると働くことで専門的な知識を身に付けて、誰もやっていないことを成し遂げたい、といえる。この分析ではまだ完璧とはいえないが、自分自身が理想とするものの輪郭は掴めた気がする。
◎感想、反省
まだまだ知らない企業や業界はたくさんある。自分に合った企業を探してもう少し広く浅く活動したほうがいいかもしれない。〇〇〇(第一志望企業)なら、自分の働く目的が十分に達成できそうだが、現実的に考えて入社するのは困難を極める。倍率は10倍以上・・・激戦区であることは間違いない。一つのこだわりに集中してしまうのは、長所でもあり短所でもある。万が一に備えて、準備をしておいた方が良い。
今回の就職ガイダンスでは、女の子から「話が抽象的である」との指摘を受けた。自分の話は抽象的になりやすく、それは面接でもマイナスポイントになるので注意しよう。どの企業へ行ってもグローバルが求められている。英語は必須となるので今から勉強しておかなければならない。その為にも、牧野フライスへのエントリーをすることにする(眠い中で描いたので、文章が少し支離滅裂になってしまった)
(補足)
大学で行われた自己分析のためのキャリアセミナーのレポートです。家族を持った今、優先順位は変わっていますが”優れたエンジニアになってすごいものを作りたい”という部分は今と全く変わりませんね。そういう意味ではちゃんとした自己分析ができていたんでしょう。
考察の最後は本当に支離滅裂ですね(笑)とにかく、「その日の内に考察をまとめるんだという意思」と睡魔の戦いを感じます。自分で決めたルールは絶対に守りたいという性格が出ていますね。今現在も”どんなに忙しくても、Twitterの投稿やブログの更新を休まない”という自分ルールを守りながらで活動しているので根本は全く変わってませんね。
2010年12月16日 模擬面接
◎考察・反省・感想
絶対に意識しなければならないのは、「結論から最初に言う」ことである。他人の面接を見ていていも、質問に対して結論から言っていない人は最終的に何が言いたいのかよくわからないかった。この部分は基本であり、かなり重要な部分である。長くダラダラしゃべるのはNGである。他人の面接を見て、強く感じた。そして面接は「準備したもん勝ち」である。どれだけ努力したかがそのまま面接の質となる。あの15人の中で一番準備した自信があったが、やはり一番評価されたのは自分であった。このことに慢心せずにこれからも努力を続けよう。しかし〇〇大学の就職に対する意識は低い。模擬面接なのにその程度の準備しかしていないのかと驚かせた人も多くいた。周りの雰囲気に飲まれないようにして、むしろ自分がナマズになる必要がある。周りに危機感を与えるのは自分だ!!そのぐらいの努力をしてやっと他の大学と同等に戦えるレベルかそれ以下であることをいつも頭に置いておこう。具体的な反省としては、もっと論理的な話の繋がりが欲しい。まだまだその部分では弱い。
(補足)
大学で行われた模擬面接というイベントのレポートです。このイベントは、大学に企業の人事を招き、実際に面接の練習をさせてもらうというものです。第一志望の企業の人事を相手に面接に練習ができるという謎のイベントでしたね。その日に模擬面接を受けたメンバーの中で最も良かったと評価をもらって嬉しかったのを覚えています。
2010年12月23日 富士機械製造 会社説明会
◎考察・反省・感想
富士機械製造は電子部品組立機が主力の企業であり、工作機械もNC旋盤類を作っているがその主要顧客は自動車業界であり、会社内での立場も狭い。富士の武器と言えるのが「画像処理技術」であり、組立機や旋盤など全ての機械に様々な形で搭載されている。社風としてはアットホームが売りであり、先輩社員に話を聞くところ、あながち嘘ではなさそうだ。電子部品組立機業界は、工作機械業界とは全く異なる。そこに入ってくる企業や顧客層まで全てが違うので、この業界については調べて理解を深めていく必要がありそうだ。世界シェアNo1だけあって、世の中にないものを作ることに力を入れている。しかし、企業自体のこだわりが少なく何でもかんでもお客様まかせな感じは否めない。
(補足)
結構辛口ですね。ただ就職活動において企業に媚びない姿勢は大切です。
2011年2月2日 本田技研 会社説明会
◎考察・反省・感想
「なぜですか?」と聞かれてどこまで掘り下げることができるか。何が目的なのかを明確にしておくことが大切である。自分の働く上での目的は「誰も作ったことのない機械を作って世界を変えたい」というものであるが、なぜ誰も作ったことのない機械を作りたいのかと聞かれたらはっきりいって答えられない。企業が重視するのは「どれほど立派な志や夢を持っているか」ではなく「その夢や志についてどれだけ掘り下げて考えているか」という部分である。今日の会社説明会では、その部分の甘さをとことん思い知らされた。「自分のやりたいこと」と「働く目的」は一致しなければならないが、全く同じだとそれもまた間違いである。先にあるのは「働く目的」であり、その目的のもとでその会社での「自分のやりたいこと」があるわけだ。またその「働く目的」の上にはさらに、ビジョン、夢がある。この構図を自分自身をどれだけ理解しているか、掘り下げたかがポイントである。今日であったホンダ社員たちはこの全てが明確であった。今日の話を受け、また自己分析から出した自分のヴィジョンや目的をここに示す。ここからはこの考えで活動していく。
(補足)
自己分析を通してヴィジョンの大切さに気が付き始めました。この考え方は今でもしっかり根付いています。
2011年2月14日 ツガミ 工場見学
◎考察・反省・感想
ツガミの主力は小型の自動旋盤である。パソコンのHDのパーツやエアコン用のインペラなど、その用途は様々で自動車業界よりその他の業界を主要顧客としている。中国の工作機械の発展や途上国の需要の影響で大型な機械より小型の機械の方が求められている今、小型旋盤を主力としているツガミは強いかもしれない。自動車のEV化で高付加価値の工作機械の需要はさらに減ろうとしているため、この流れには更なる拍車がかかる可能性がある。パソコンなどの電子部品の加工もできるツガミの機械は、EV化で自動車業界に参入してくる電子・電気メーカーの設備投資として使われるかもしれない。ただ、あくまで有利なだけであり、このような流れが起きるなら各競業メーカーがこれを見過ごすはずはない。ツガミは良い企業だと思うが、場所が新潟なのは少しいただけない。
(補足)
現在のツガミの好調具合を見ると、この考察も中々鋭いところをついていたなーと思います。工作機械業界の研究がちゃんとできていた証拠ですね。最後の一文は新潟に失礼ですね、すみません。雪が降るのが嫌だというだけです。
2011年2月15日 学内セミナー
◎考察・反省・感想
工業の生産方式がマザックと森精機では全く違う。マザックはモジュール生産で各部品を別の場所で組み立てて、最後に全てを組み付ける。それに対して森精機はセル生産で一人の作業者が全ての組立を一人で行う。それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらを採用するかは考え方の違いである。ツガミで見たように、モジュール生産の場合、作業者に求められることが少ないため、パートのおばさんでも工場で働いて組立ができる。セル生産ではそうはいかなく、作業者の育成に時間が掛かるし知識も必要である。でも組立時間は早い。この違いが2社の考え方の違いなのかもしれない。セル/モジュール生産のメリット・デメリットを書き出して比較すればわかりやすい。これは考察すべきだが、少し情報が少ないので25日の工場見学でもっと聞き出してみようと思う。今日の説明会で2社の意見がラップした部分は、工作機械の設計は自動車と違い全体に携わることができるということである。これは牧野フライスの技術者も言っていた。そういう部分でも工作機械の設計は魅力を感じる。
(補足)
工作機械の設計の魅力はまさに"全体に携わることができること"です。それはここまで働いてきた今でも強く感じます。これは間違いありません。ただ逆に言えば、細分化できていないという風に言い換えることもできます。良し悪しですね。
2011年2月25日 ヤマザキマザック工場見学
◎考察・反省・感想
現在、見学した工場はマザックとツガミの二社だけなので特徴がうまくつかめないが、この二社を比較すると、マザックの方が工場が綺麗だった。両社とも生産方式はモジュール生産だが、ツガミは小さい機械が得意というのもあってか、現場の机の上にドライバーなどが転がっていた。そして工場も狭く、全体的に汚かった。それに対してマザックは大型の機械も多く扱うので広く、綺麗だった。ドライバーが転がっていなかったというより机が少なかった。これは一つ一つのモジュールのサイズの違いだろう。小型旋盤のツガミは机の上で組立ができる部品が多いため、机の上のドライバーが目立った。なので、工場が狭く感じたのかもしれない。
設計はデスクワークではないという技術者が多い。それだけ現場に出なければならないということである。トライ&エラーを繰り返す設計職の泥臭さが垣間見える。
(補足)
「設計はデスクワークではない」・・これはガチ(笑)
2011年3月3日 牧野フライス工場見学
◎考察・反省・感想
生産方式はモジュール生産で、工場の雰囲気はマザックと似ていた。今考えると、マザックは見学用のルートが充実していたと思う。ツガミ、牧野と比べると断然広い。内容としては牧野もマザックも違いは無いように見えた。工作機械メーカーだから当たり前だが、自社の機械を使って自社の機械を作っている。これはどのメーカーでも一緒である。
社員懇談会の雰囲気は、どの会社よりも良かった。7人という少人数に対して4人の社員がついてくれたということもあるが。どこの会社に行っても、設計はデスクワークではないという話がでる。これは前回の考察にも書いたことだが、それだけ設計という業務が職種の中でも激務なのだろう。体力をつけるために何か運動を始めた方が良いかもしれない。
(補足)
「設計はデスクワークではない」・・2回目。設計は、”一に体力、二に気力、三四がなくて五に技術”とも言われています。
2011年3月4日 東芝機械工場見学
◎考察・反省・感想
工場は今まで見た中で一番古かった。鋳物の工場だったからかもしれないが、他の工場も古く広かった。ここではセル生産を行っていた。流用できるモジュールが少ない多品種少量生産のとき、セル生産を行うのではないかと気づいた。逆に共通のモジュールがあるときは、モジュール生産になるのだろう。はっきり言えば、東芝機械はパッとしない会社だった。古い会社だからか、どこか固く保守的なイメージが強かった。印象でいえば自動織機と同じだ。そういう風に感じてしまう企業は明確なヴィジョンがない。「お客様」とか「No1」だけを掲げているから熱さを感じない。逆に魅力を感じる企業は「交通事故死0」とか「工作機械で世界を変える」などの目標を掲げている。そういう企業が変わっていると思うから好きなんだと思う。「他と違う、人と違うことが好き」という性格が大きく影響している。
(補足)
会社を選ぶとき、直感は大切です。なんか微妙、なんか合わないという感覚も判断の基準として良いと思います。その感覚の原因は何なのかを掘り下げて考えると、自己分析にも繋がります。とにかくなぜ?なぜ?と考え抜きましょう。
まとめ
本記事の復習をしましょう。
・就職活動は自分と向き合う時間
・就活イベント参加で満足してはいけない
・自分なりに考察して、考え抜くことが大切
・自分の考えを紙に書き出すと、多くの気づきがある
なんとなく、雰囲気は伝わったでしょうか。本記事で文字起こししたのはノートの中身のほんの一部ですが、それでもかなり長い記事になっていしまいましたね。今就活をしている人は、私のように就活ノートを保存しておいて節目のタイミングで自分を振り返るのも面白いかもしれませんよ。私自身、自分のノートを読み返してみて色々と思うことがありました。懐かしい気持ちももちろんありますが、なにより"芯がブレていない"のを再確認できました。
正直、このノートで考察したことなんてほとんど忘れていましたが、就職活動の時に大切にしたと思ったことをそのまま大切にして働けていると気が付けました。これはきっととんでもなく幸せな事だと思います。就職活動にゴールはありません。就職活動は言い換えれば、スタート地点と目指す方向を決める作業なんです。私自身、今現在も就職活動で決めたスタート地点から、目指すべき方向へ進んでいる最中に他なりません。
今から就職活動に臨む学生諸君、気負わず、挫けず、徹底的に考え抜いてください。小手先のテクニックにとらわれない本当の意味での就職活動ができることを祈っています。
もし工作機械業界の興味のある方で何か質問があれば、メールでもTwitterでも連絡をください。遠慮なくどうぞ!!昨年から何人かの学生さんに質問いただいていますし、回答もしています。現役で働いている設計者の生の声は結構参考になると思いますよ!!
工作機械業界に興味のある方は、ぜひこの記事も読んでみてくださいね。