皆さんは、最近”肝が冷えたこと”ってありますか?私は今週、人生で1、2を争うくらいの肝が冷える出来事がありました。業務用の冷凍庫で肝が瞬間冷凍されたかと思うくらいの冷えっぷりでした。色々なことのタイミングが重なって、非常にややこしいことになったので、その出来事を記事にしてみました。ブログ運用や情報発信をしている方なら少なからず関係のあることかもしれません。
まあ、怖い話ではないので肩肘張らずに読んでください。場合によっては、記事を消す可能性もありますが、私の体験が皆様の何かしらの学びに繋がれば幸いです!では、何があったのかを聞いてください!!
何があったのか?
いつも通り会社に出社し、コーヒーを相棒に仕事を淡々とこなしていく朝方。私のデスクの横にフラっと人影が現れた。
部長だ。
部長がすごーく何かを言いたそうにこちらを見ている。「どうしたんですか?」と声をかけようとするのを遮るように、部長が先に口を開いた。
「○○君、別に悪いとは言わないんだけどね
もうちょっと、嘘を混ぜながらやった方がいいんじゃない?
あれじゃ、誰が見ても君だとわかるよ」
はい?????
部長は一体何を言っているんだ・・・多忙すぎておかしくなっっちゃったのか??と思った矢先、しぶちょーに電流走る。そう、具体的に表現されずとも雰囲気で直感的に気がついた。これは、Twitterとブログのことを言われている!!!!
2020年3月から”しぶちょー”というハンドルネームで始めたTwitterとブログでの技術情報発信。ネット上でコツコツと1年半続けてきた私の活動が会社にバレたのだ。なぜバレた!?いや、これはカマをかけているだけかもしれない。まだシラを切ることだってできる・・・!?いやいやいや、無理だ無理。部長は新人だった私を設計者として育ててくれた恩師、私が発信している技術の内容はほぼ部長から学んだと言っても過言ではない。投稿の内容を見れば、誰が書いたか絶対にわかる。
・・・ってか、バレたからなんだ?他の技術者達との交流や自己啓発、自己研鑽、そして人の役に立つ情報を発信したいという純粋な気持ちで情報発信をしているわけで、褒められこそすれど、別に怒られるようなことではない。むしろ、胸を張って自慢できるような成果物と言っていい。どの記事だってしっかり時間を掛けて書いているし、むしろ情報発信を得て学んだことを仕事にフィードバックできている。最高のループだ。ここで引いたら、自分が費やしてきた時間に失礼だ、応援してくれている人たちに失礼だ!!そうこれは成果だ、この成果を誇るべきだ!!
この間、わずか0.2秒。「そうだ、僕がしぶちょーだ。ならばどうする?」と新世界の神さながらの開き直りをカマそうとしたまさにその瞬間、しぶちょーに2度目の電流走る。
そう、脳裏には先週の投稿が映し出された。
転職活動、はじめました。
あーーーーーーー部長、
もしかして、これも読まれてる感じですかーーーー!?
YES! YES! YES! YES!
何てこったい\(^o^)/
完全に思考停止し、冷や汗びっしょり。ただただ、アワアワする私を尻目に
「嘘を書けよ、嘘を・・・」
そうブツブツ呟きながら、部長は去っていた。冷や汗まみれになった自分と冷めたコーヒーだけが、朝方のデスクに残されたのだった。
完
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・・・ということが、今週あったという話を誰かにしたくて記事にしてみました。本ブログ”しぶちょー技術研究所”は、2020年3月に投稿を始め、それとほぼ同時にTwitterでの情報発信も始めました。幸いなことに、とても多くの方に支持していただき、今では月に2万PV以上のアクセスをいただいています。そのように、順調に影響力を伸ばしていく一方で、当然このような事態もいつか来ると想定していたわけですが・・・まさかこのタイミングとは。
私が働く工作機械業界は、そんなに広い業界ではありません。”工作機械”というところにフォーカスして発信しすぎた為、流石に露骨すぎたということでしょう。このあたりは、軽率だったと反省しています。ただし、別に
アカウントを消せ、ブログを消せ
と言われたわけではなく、もっとわからないようにやれと釘を刺されたというわけです。黙認しているだけ、あくまでもグレーだぞ、というニュアンスを含まれていますね。転職活動云々の話を知られてしまったのは、正直やりにくくてしょうがないですが、まあ過ぎたことは仕方ありません。これに関しても、別に悪いことをしているわけではないですしね。部長は恩師でもあるので、転職の話は順を追ってしっかり話していこうと思っていた矢先の出来事だったので、かなり出鼻を挫かれた感はありますが。
中学の頃、友達に”好きな女の子が誰か”を教えたことがあったのですが
「マジで!?俺そいつと仲良いから、伝えてきてやるよ!!」
と言って、人の話をまったく聞かず、教室を音速で飛び出していくスーパーお節介な友達がいました。今、なぜかそいつのことをすごく思い出します。あの時、待ってー、ものには順序があるからぁ!!という私の心の叫びが届かなかった訳ですが、奇しくもあの時と全く同じ気持ちですね(笑)
さて、ここまでが私の個人的な話です。ここからは皆様にも一度改めて考えて欲しい学びの部分です。何度か同じことを言っていますが、ネット上での情報発信は別に悪いことではありません。向上心や善意を持って行えば、良い行為ともいえます。自己承認欲求も満たされます。しかし、会社側は(特に大きな企業になればなるほど)そう言った行為は良い印象を持ちません。それは、ネット上での発信自体には大きなリスクがあるからです。
ここで今一度、社会人が情報発信するリスク、および技術者が情報発信するリスクを再確認していきましょう。
情報発信に付き纏うリスクとは?
社会人の情報発信における大きな二つのリスクは、炎上のリスクと情報漏洩のリスクです。
炎上のリスク
炎上に関しては言わずもがなですね。これは多くを語る必要はないと思いますが、発信内容が問題視されて、悪い意味で話題となってしまうということです。それこそ炎上がひどい場合には、個人情報の特定や晒しあげなど、一生消えることのない傷跡をネット上に残すことになってしまいます。そのような傷跡は“デジタルタトゥー“とも呼ばれます。本人が如何に気をつけていようと、何がきっかけで炎上するかは分かりませんし、コントロールもできません。
炎上の内容にもよりますが、会社を特定されれば会社のブランドそのものに傷がつく可能性も大いにあります。個人の発信とはいえ、影響力は絶大です。その会社が大きければ大きいほど、話題になりますので面白がって薪を焚べる人も多くなる訳です。
炎上しない唯一の方法があるとすれば、"情報発信をしない"ということです。如何に自分のことを常識人だと思っていても、発信する限り炎上のリスクは必ずあるということを我々は改めて理解しておく必要があります。
言ってしまえば交通事故と一緒ですね。本人がどんなに安全を意識していたとしても、道路に出てしまったら交通事故に巻き込まれる可能性はあります。相手あってのことですからね。事故を絶対に起こさないためには、出掛けないことがもっとも有効なんです。だからといって、出掛けないというのは話です。だからこそ、リスクに対する自覚が重要なんですね。
情報漏洩のリスク
これは特に技術系のブロガーや情報発信者が注意しなければならないリスクです。技術系の情報発信をする上では、その情報が“一般的な技術情報”なのか、“会社が保有する技術情報(ノウハウ)”なのか、その線引きが何よりも重要です。会社のノウハウを発信すれば、それはたちまち技術情報の漏洩となります。
全ての技術者は、机上での勉強だけではなく業務を通じて自身の技術者としてのレベルを上げていきます。それ故に、どの技術者も自分が持っている知識の何が一般的な知識で、何が会社の技術情報なのか、その線引きがはっきりとはわかっていません。私自身も技術情報を発信する際は、この線引きに最大限の注意を払って、"一般的な技術情報"の発信をしています。しかし、それも第三者が認定するわけではなく、あくまで私個人の判断でしかありません。
通常、企業が技術情報を他者に提供するのであれば、機密保持誓約書などの書類を何十枚も書いた上で、さらにセキュリティの高いシステムや環境の中で情報をやり取りをします。かなり厳重に感じますが、それがスタンダードなのです。
これと比較すれば、個人の裁量で、問題ないだろうと勝手に判断した情報を不特定多数の人が見れるネット上に発信するという行為が如何にリスキーであるかよくわかるでしょう。いささか大袈裟な表現かもしれませんが、技術情報を発信するということがそういったリスクを孕んでいるということを、しっかりと再認識すべきでしょう。
まとめ
本記事の内容を復習をしましょう。
・会社にSNS、ブログでの活動がバレてた
・転職活動の開始を会社に高らかに宣言してしまった
・ちょっと気まずいけど、悪いことしてないし、まあいっか
・情報発信には炎上のリスクと情報漏洩のリスクがある
・情報発信のリスクを今一度再認識すべし
会社にバレたと言っても私の活動やスタンスは何も変わりません。人の役に立つために情報発信をこれからも続けていきますよ。部長に声をかけられてからしばらくは、流石に動揺しました。何か読まれたら不味い記事が無いかと思い、ブログやTwitterの情報発信を見直したりしました。しかし、そうしている時に、逆に気が付かされました。
何一つ、見られて恥ずかしいものはない。
全てが誇れる発信だと。
どの記事も一生懸命に書いてきました。誰に頼まれたわけでもなく、自分で勝手に決めて続けてきたことです。稚拙な文章ながらも、どんなに忙しくても手を抜いたことは一度もありません。そうやって積み重ねてきたものって、これだけ堂々と誇れる気持ちになるんだと改めて実感することができました。吹っ切れた訳でもヤケになっている訳でもなく、冷静に清々しさを感じまたね。
会社にバレたというのも、逆に考えればネット上でも実生活でも「自分らしく自分の人生を生きられている証拠」と言えるかもしれませんね。会社に対して、転職活動開始宣言をしてしまったというエピソードも非常に自分らしい笑い話にできそうです(笑)
私の場合、部長との付き合いも長く仲が良いこともあって、そこまで大きな問題にはなっていません。ただし、会社によってはこういった情報発信を頭から否定するようなところもあると思います。色々と書きましたが、結局のところ個人を特定されて得することなんて何もないので、うまくフェイクを織り交ぜて、撹乱するのが上手なやり方だと思います。これから情報発信のしようと思っている方、既にブログやTwitterなどで活動している方。一度、自分の発信を冷静に見直してみた方が良いかもしませんよ。私の体験があなたのより良い情報発信ライフに役立ちますように!!
追記、本件の後日談はこちらです。合わせてご一読ください!