MTBFとMTTRってなんだ?~信頼性と保守性の話~

機械設計

機械設計を行う上で重要なのが、機械の“信頼性”“保守性”です。「趣味のものづくり」と「製品としてのものづくり」の最も大きな違いは、信頼性や保守性の考え方だと思います。まさにプロとアマの分岐点です。

そして、機械の信頼性や保守性を評価する上で重要となる指標がMTBFとMTTRです。本記事ではMTTRとMTBFの考え方や概要、また計算方法についてなるべくわかりやすく簡潔に解説していきます。

これらの単語が急に出てきても、たじろがないようにしっかりと学んでおきましょう。特に設計初心者の方は必見ですよ。本記事を読んで、フワッと概要を学んでください。それではいきましょう!!

信頼性とは何か?

MTTRやMTBFを説明をする前に、そもそも信頼性とは何か?ということを考えていきましょう。普段の生活の中でも、「この上司は信頼できる人だ」とか「後輩から信頼される先輩になりたい」とか、いろいろな場面で”信頼”という言葉を使いますよね。辞書で意味を調べると

信頼・・・信じて頼ること。頼りにできるとして信ずること。

とあります。

一方で、装置やシステムにおける”信頼性”はJIS-Z8115:2000『信頼性用語』において

「アイテムが与えられた条件で規定の期間中、要求された機能を果たすことができる性質」

と明確に定義されています。簡単に言えば、「想定した通りに機械が働いてくれるか」ということです。我々が日常生活で使用している信頼という言葉とは、少しだけ意味が異なるということを理解しておくと良いでしょう。

MTBFとは?

システムや機械の信頼性を評価するための指標として、MTBFがあります。MTBFはMean Time Between Failureの略であり、日本語では平均故障間隔といいます。

この指標は、故障から次の故障までの平均的な間隔を表しており、言い換えるなら連続稼働できる時間の平均値といえます。このMTBFの数値が大きいほど信頼性の高い機械だと言えます。MTBFの計算式は下記です。

例題に沿ってMTBFを計算して、理解を深めましょう!!

お手伝いロボットのメカトロザウルス君が、200時間稼働した後に故障しました。修理を行い復旧しましたが、250時間稼働後に別の箇所が故障しました。再び修理を行い、稼働させましたが次は300時間後に故障しました。この場合、メカトロザウルス君のMTBFは

MTBF= (200H+250H+300H) / 3回 = 250 H

となります。ちなみにMTBFの逆数を取ると、故障率となります。

故障率=1/ MTBF = 1/250 = 0.004 (0.4%)

という計算になります。

MTTRとは?

上述したMTBFと合わせて出てくる指標がMTTRです。MTTRは保守性を示す指標であり、Mean Time To Repairの略です。日本語では平均修復時間といいいます。ちなみに保守性とは、読んで字の如く保守のしやすさ、つまりは“直しやすさ“のことです。

MTTRは、故障から復旧までにかかった時間の平均を表しており、簡単に言えば修理に掛かる時間の平均です。MTTRの計算式は下記です。

例題に沿ってMTTRを計算して、理解を深めましょう!!

再び登場しました、お手伝いロボットのメカトロザウルス君。順調に稼働していたメカトロザウルス君でしたが故障してしまい20時間停止して、復旧しました。復旧後に再び故障し、次は30時間停止後に復旧。またまた故障し、次は10時間後に復旧しました。この場合、メカトロザウルス君のMTTRは

MTTR = (20H+30H+10H) / 3回 = 20 H

となります。簡単な計算ですね。

稼働率(Operating Ratio)の計算

上記で計算したMTBFとMTTRを使って、システムの稼働率を計算することが出ます。稼働率(Operating Ratio)とは総稼働時間に対して、有効な稼働していた割合です。可用性という呼び方もしますね。簡単に言えば、どれくらいしっかりと働いていたか、ということです。稼働率の計算式は下記です。

MTBFとMTTRの例題で使った計算結果を用いると、メカトロザウルス君の稼働率は下記のように表すことができます。

稼働率(Operating Ratio) = 250H / (250H +20H) = 0.925・・・≒ 93%

となります。メカトロザウルス君は結構な働き者ですね。現場の改善活動では、MTBF(信頼性)、MTTR(保守性)、稼働率-Operating Ratio-(可用性)を用いて、改善前と改善後で比較することにより、改善効果を評価したりもします。

まとめ

本記事の内容を復習しましょう。

・信頼性とは、与えられた条件の中で要求された機能を果たすことができる性質
・MTBFはMean Time Between Failureの略(平均故障間隔)
・MTTRはRMean Time To Repairの略 (平均修理時間)
・稼働率 = MTBF / MTBF + MTTR


MTBFが機械の寿命を表す指標だと勘違いしている人がいますが、これは誤解です。あくまでも信頼性を定量的に評価するための指標ですので、間違えないようにしましょう。

本記事の計算例題では、簡単のためにメカトロザウルス君の稼働や故障状況を元に計算を行いました。しかし、機械設計の実務ではこれらの指標を設計段階で算出する必要があります。機械を作ってから信頼性を評価していたようでは遅いですからね。機械のどの部分がどの段階で壊れて、どのように保守を行って、どのくらいの作業時間が掛かるか。こういったことを緻密に計算しながら、最適化していくのが機械設計者の仕事です。作って終わりではないのが、機械設計の難しいところであり、楽しいところでもありますね。

(全くの余談ですが、私はMTTRという文字を初めて見たとき、真っ先にT.M.Revolutionが脳裏をよぎりました。同じ気持ちの人がいたら、是非教えてください。一緒にHOT LIMITしましょう。)

本記事で紹介した以外にも、信頼性を表す指標はいくつもあります。詳しく知りたい方は、専門の書籍を探して読んでみると良いでしょう。

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信頼性や保守性の他にも大切なファクターがあります。それが安全性です。安全設計の基礎については、下記の記事にまとめてありますので、本記事と合わせて読んでいただければ幸いです。

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