誰でもわかる”軸受”の基礎の基礎

誰でもわかる軸受の基礎 ベアリング

すごく身近でとても大切な機械要素部品 ”軸受(じくうけ)”ベアリングという呼び方の方が馴染み深いかもしませんね。この記事では、軸受の基礎についてわかりやすく紹介していきます。

 

【この記事はこんな人向け】

◎ 軸受、ベアリングという言葉を初めて知った人

◎ 聞いたことあるけど、なんなのかよくわからない人

 

軸受ってなんなの?

軸受(じくうけ)とは、読んで字の如く軸を受ける物のことです。辞書の定義では、回転軸を支える装

のことを指します。回転軸を支えるってどういうこと?と思うかもしれませんが、数年前に流行っ

たハンドスピナーをイメージするとわかりやすいですね。

 

軸受とはなにか。ハンドスピナーにも使用されている。

軸受とは?

 

真ん中を指で持って、外側を弾くと勢いよく回りだし、しばらく回転を続けますね。これはハンドスピナーの中央に軸受が入っていて、滑らかに回り続けれるような仕組みになっているんです。このように回転するものを支えてあげている部品が軸受なのです。世の中の回転しているものには大体、軸受が使われています。

軸受の役割ってなに?

軸受の基本的な役割は、支える回転体を

 

(1) なるべく少ないエネルギーで回転させる。

(2) 大きな荷重を支えながら回転させる。

(3) 高速で回転させる。

(4) 長時間、継続して回転させ続ける。

 

ことです。身近なものを例にとって説明します。普段、何気なく乗っている自転車のタイヤにも軸受が使われています。この軸受がしっかりと仕事をしているので

 

(1) ペダルを漕げば自転車がスムーズに進み

(2) 体重が軽い人でも重い人でも同じように走ることができ

(3) スピードを出しても安定して走れ

(4) 壊れることなく長距離の移動もできる

 

のです。

 

軸受の役割

軸受の役割

 

私たちの身の回りには、回転するものが溢れています。例えば自動車や自転車のタイヤ、扇風機、換気扇、掃除機、洗濯機 etc・・。軸受がしっかりと役割を果たすことで、私たちはこれらの機械を使うことができているわけです。

軸受けの種類

軸受はどのように軸の回転を支えているかで、“すべり軸受”“転がり軸受”2つに分類できます。その名の通り、すべらせて回転させるか、玉やローラを転がせて回転させるかの違いです。ざっくりとしたイメージは下記の絵でつかめると思います。

 

転がりとすべりの違い

“転がり”と”すべり”の違い

 

このように、すべり軸受は油などですべらせて滑らかに動かすイメージで、転がり軸受は玉の上をゴロゴロ転がせて滑らかに動かします。(こういう滑り台ありますよね。)

 

一般的には、転がり軸受が採用されている機械が多く、すべり軸受はなかなか稀です。私が設計してきた機械でもすべり軸受を採用した機械はありません。

 

余談ですが、エジプトのピラミッドを建設する際、昔の人は丸太を敷いてその上を転がすように材料となる石を運んだようです。これが軸受の起源とされており、壁画にもしっかり当時の様子を表す絵が残っているらしいです。地面を引きずって運ぶことを思ったら、そちらのほうがだいぶ楽に運べそうですよね。

 

ピラミッドの建設とベアリングの歴史

ピラミッド建設のイメージ

すべり軸受けの種類と特徴

代表的な滑り軸受けを紹介していきます。

油潤滑軸受

油潤滑軸受とは

油潤滑軸受のイメージ

 

油でヌルヌル滑って回転を支える軸受です。軸と軸受の間に油の膜ができて摩擦を軽減させることができます。

車や船舶のエンジンなどに使われています。ちなみに油潤滑軸受けの中でも、どのように油を送り込むかで二種類あります。

 

静圧軸受・・・ポンプなどで油を強制的に送り込んで潤滑させる

動圧軸受・・・回転の勢いで周りの油を巻き込んで潤滑する

 

ポンプなどがなくても潤滑できる”動圧軸受”の方が装置も大規模にならずに良いですが、高回転・高負荷になってくると油の膜が作れなくなるため、強制的に油を流し込む”静圧軸受”も必要になってきます。

気体軸受

気体軸受とは

気体軸受のイメージ

 

気体で軸を浮かせて回転を支える軸受です。原理は油潤滑軸受と一緒ですが、軸と軸受の間に気体が入ります。ゲームセンタのエアホッケみたいなものです。気体の力で浮かせて、回転を支えます。大きな力を受けるのは苦手ですが、油潤滑軸受よりも低摩擦なので高速回転ができます。精密機械や遠心分離機などに使用されます。また、油が垂れるのを嫌う食品製造用の機械などにも使われます。

 

油潤滑軸受と同様に、気体軸受けにも静圧軸受と動圧軸受があります。

磁気軸受

磁気軸受とは

磁気軸受のイメージ

 

磁力を利用して軸を浮かせて回転を支える軸受けです。男心をくすぐるロマンがありますね。磁気で浮かせるため、摩耗がありません。特殊な環境(真空、超低温など)でも使用することができますが装置が大きいのと、高コストなのでまだあまり実用されていないようです。

 

などなど・・・他にも種類はありますが、ざっくり紹介するとこんな感じです。

転がり軸受けの種類と特徴

 

転がり軸受はすべり軸受よりも一般的に普及しています。普及している理由としては規格化されているというのが大きいです。簡単に言うと、「代表的な軸受はこういうサイズ・仕様にしましょう」というルールが決まっているのでどのメーカのものを使っても互換性があります。壊れてしまっても代わりのものがすぐ手に入るので便利です。比較的小さいものならホームセンターとかでも売っているます。基本的に”軸受”といえば、この転がり軸受のことを指す場合が多いですね。

 

そんな転がり軸受にも様々な種類がありますが、基本的な構成はだいたい同じです。

 

軸受・ベアリングの部品構成

軸受の部品構成

 

転がり軸受は一般的に外輪(がいりん)、転動体(てんどうたい)、保持器(ほじき)、内転(ないりん)の4つに分けることができます。ピラミッドの例であげた丸太の役割を果たすのが転動体という部品です。転がり軸受の名の通り、実際に転がっている部分ですね。基本的には転動体の形の違いで軸受の種類が分かれています。

玉軸受

玉軸受とは

玉軸受けのイメージ

 

転動体がボール形状のものを総じて玉軸受と呼びます。非常に用途が広く、色々な箇所に使われます。”軸受、ベアリング”と聞けば、この形を連想する人も多いでしょう。玉軸受けは基本的に軸方向、径方向の力も両方とも受けることができます。

コロ軸受

コロ軸受とは

コロ軸受のイメージ

 

転動体が円柱形状になっているものをコロ軸受と呼びます。玉に比べて、円柱の方が力を受ける面積が広くなるためより大きな荷重を支えることができます。ただし、力を受けれる方向は径方向のみの場合が多いです(種類にもよります)。転動体を円柱形状だと紹介しましたが、円錐であったり、たる形状であったり、バリエーションは豊富です。

まとめ

軸受けはというのは・・・

 

◎  回転を支える機械要素

◎ “すべり”と”転がり”のがある

 

ということは覚えておくとよいでしょう。すこし意識して周りを見てみると、”アレ”にも”コレ”にも軸受が使われていることがわかります。目立たないけど、大切なまさに“縁の下の力持ち”です。

 

本記事では、本当に基本的な部分をざっくり抜粋して紹介しましたが、軸受は数ある機械要素のなかでもかなり奥深い分野です。学問でいうと、”トライボロジー”という分野で、摩擦や潤滑などを取り扱う科学技術として取り扱っています。もし興味があれば、もう少し深く軸受の世界を勉強してみてはいかがでしょうか。